俳優大泉洋(42)が11日、東京都内で主演映画「アイアムアヒーロー」(23日公開、佐藤信介監督)公開を前に、外国特派員協会主催の会見に出席した。

 10日にはベルギーで閉幕したブリュッセル・ファンタスティック映画祭で、グランプリにあたるゴールデン・レイブン賞を受賞したばかりで、大泉はさっそく喜びを口にした。「この映画を初めて見たときに、世界に通用する映画だと思った。ブリュッセルでも賞を取れると思っていた。朝の4時に聞いたんですけど、取れると思っていた分、ハラハラしながら待っていた」。自信満々な姿がこっけいに映ったのか、出席者からクスクスと笑いが漏れていた。

 ブリュッセルは3月にイスラム国によるテロ事件が起きたばかり。「ブリュッセルという街は悲しい出来事があって、映画祭の開催自体も危ぶまれた。そんな中で、映画祭をやってくれた勇気に敬意を表します。開催してくれて、賞をいただけたこともありがたい」と感謝した。

 作品はシッチェス(スペイン)、ポルト(ポルトガル)の両ファンタスティック映画祭でも、ともに観客賞などを受賞。世界3大ファンタスティック映画祭すべてでトロフィーを受賞する快挙を達成した。

 撮影の苦労話を聞かれると、大泉は佐藤監督の撮影時間の長さを挙げた。「穏やかな顔をしているけど、監督は頑固な人。妥協を許さない。無数のカットを撮らなくてはいけなくて、撮影時間も膨大にかかった。どんどん夜が遅くなっていく。なかなか寝られない。それでも監督はやめてくれない。さらに、監督と仲のいいカメラマンが、『こんなカットはどうだ?』と言ってくる。延々と終わらない」。隣で佐藤監督が苦笑いする中、ジョークを交えて恨み節をこぼした。

 撮影は韓国でも行われた。両国の国民性の違いを問われると、大泉は「日本人は昼ご飯を我慢して、キリのいいところまで撮る。向こうの人は、ご飯の時間が過ぎると怒ってました。僕は韓国の人の方が正しいと思う」と持論を展開していた。