女優陽月華(36)が来年2月公開予定の映画「かぞくわり」(塩崎祥平監督)で、映画初主演を務めることが29日、分かった。09年の宝塚歌劇団退団後、舞台で主演経験はあるものの、ドラマを含めて、映像作品の主演は今回が初めて。

 「かぞくわり」は、家族の役割がテーマで、奈良県が舞台。親の反対で画家の夢をあきらめた、陽月演じる38歳の独身女性の香奈が、夫の不倫をきっかけに実家に戻った妹が実家を占拠していく中で、居場所を失いながらも、幸せな家族を取り戻す姿を描く。

 クランクインを前に、陽月は「奈良の空気を感じて、良い作品になるように集中して取り組みます。自分自身もどのような色に染まれるか今からとても楽しみです」と意気込みを示した。

 香奈の父を小日向文世、母を竹下景子が演じ、香奈に大きな影響を与える謎の男を石井由多加が演じる。小日向は「歴史ある神社などが数多く残っていると聞く奈良県葛城市で過ごす時間を楽しみながら、その空気感を感じ、塩崎監督のもと作品に生かしていければと思う」。竹下は「今と昔が、現実と予言がクロスオーバーする現場。ワクワクです」。石井は「奈良県の歴史や美しさ、そしてこの物語をたくさんの人へ伝えたい」とそれぞれコメントした。

 他に共演は木下彩音、佃井皆美、今出舞ら。

 ◆陽月華(ひづき・はな)1980年(昭55)9月2日、東京生まれ。00年に宝塚歌劇団に入団し、星組に配属。07年、宙組娘役トップに就任。09年に宝塚を退団し、10年の舞台「ULTRA PURE!」でヒロイン、12年「魔法のオルゴール」で主演を務めた。ドラマは11年の日本テレビ系「ミューズの鏡」、13年TBS系「あぽやん」、映画は今年3月の「チア☆ダン」など。血液型O。