歌手、女優として活躍する原田知世(49)が、デビュー35周年記念アルバム「音楽と私」をデビュー日にあたる5日に発表する。無我夢中だったデビュー直後から、やりたいことがようやく見えた転機、支えになった家族、休日の過ごし方など仕事からプライベートまで、35年を振り返った。

 「音楽と私」は初のセルフカバーアルバム。82年「ときめきのアクシデント」から14年「うたかたの恋」まで年代ごとの代表曲を計10曲(初回限定盤は11曲)収録した。83年初主演映画の主題歌「時をかける少女」は収録を熱望した1曲。

 「人気が高い曲なので、入れることはみんな(=スタッフ)で決めました。初めての主演映画で浸透度が高いですから」

 82年「角川・東映大型女優一般募集」オーディションで特別賞を受賞して芸能界入り。当時14歳だった。

 「真田広之さんのファンで、映画の相手役募集がありオーディションを受けました。本当に軽い気持ちで始まっているので、自分が一番驚いています。よくここまで続けてこられたなと思いますね」

 82年フジテレビ系ドラマ「セーラー服と機関銃」に主演して女優デビュー。同ドラマ主題歌「悲しいくらいほんとの話」で歌手デビューした。その後、83年「時をかける少女」84年「愛情物語」「天国にいちばん近い島」など立て続けに主演映画がヒットした。

 「デビューから4年ぐらいは、ものすごく長く感じました。学校にも行き、お仕事も本当に忙しくて。細かなことは覚えてないです。レールを引いてもらい、無我夢中で走った4年間。歌うことは好きでしたが、あのころは映画のPRで歌うスタンス。映画を代表して、という気持ちもありますし、間違えないようにと思って歌っていたので、楽しんでできていなかった」

 20代半ば、ようやくやりたいことが見えてきた。

 「等身大の自分を表現したかった。10代の時、映画でいいイメージを作っていただいたのですが、パブリックイメージと、20代になって大人になってきている等身大の自分に違和感を感じた。女優の仕事は待つ仕事。いい出会いがあればいいですけど、音楽は自分で計画を立ててできる。音楽という場所で、もう1回デビューするような気持ちで新しい自分を表現したいと思ったんです」