俳優梅宮辰夫(79)がこのほど、9月発売のアルバム(タイトル未定)のため、28年ぶりにレコーディングを行った。スタジオでマイクの前に立つのは、89年12月に発売した演歌歌手村上幸子さん(享年31)とのデュエット曲「純情物語」以来。「緊張するね」と言いながらも、巨大魚と格闘する釣りで鍛えた体力には自信がある。「歌う時は、おなかから声を出さないとダメ。俺の場合は釣りをやっていたからそこは自信がある」と笑顔で話した。

 1958年(昭33)に東映ニューフェースとなり、翌年にデビューした梅宮は、「不良番長シリーズ」「帝王シリーズ」などで、東映の黄金期を担ってきた。アルバムはこれらのシリーズ主題歌を中心に選曲。13曲すべての録音をやり直すつもりだ。

 当初は来年の80歳と芸道60周年の“ダブルの節目”での発売を目指した。ところが、今年1月に親友の俳優松方弘樹さん(享年74)が死去。「仲間が1人ずつ去っていくことは精神的にもつらい。でも、残り少ない『昭和のスター』の生き残りとして、アルバム発売は残された者の使命。単なるベストアルバムでないものにしたい」と意欲を見せている。

 ◆主な収録曲 番長シャロック、番長ブルース、旅姿三人男、夜は俺のもの、シンボルロック、ダイナマイトロック。