ソロダンスバトルの世界大会「DANCE ALIVE WORLD CUP」が3日、埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催された。

 世界各国から集結した12人がトーナメント形式でダンスバトルを繰り広げる大会で、「WORLD CUP」は3回目。日本で開催されるのは初めてだった。大会は、フランス代表のSALAH(サラ)が決勝、日本代表のISSEIを破って優勝し、賞金1000万円を獲得した。

 もともと、日本国内で開催されていた「DANCE ALIVE」が派生して世界大会になったというが、素人目にもレベルの高さや、おもしろさが伝わってきた。今大会は、それぞれが60秒の持ち時間を交互に2セット踊って競う。審査員4人に加えて、観客がいいと思った方の色(赤と青)を掲げて1票を入れる参加型スタイル。相手を意識しながら、観客も巻き込んでいくので、見ている方も世界観にどんどん引き込まれていくのだ。

 この日、クランプダンスチーム「RAG POUND」としてゲスト出演したEXILEのAKIRA(36)小林直己(33)岩田剛典(29)に話を聞いた。もともと小林は、06年に行われた前身の大会に出場したことから、AKIRAらの目に留まり、スカウトされる形でJ Soul Brothers(現三代目J Soul Brothers)に加入した経験を持つ。小林は「当時は100人くらいのクラブでやっていた。主催者もみんな顔見知りで、身内の中で1位を決めているような感じだった」と感慨深げ。「規模がこうして大きくなっても無駄に張り合う気持ちだったり、恥ずかしいパフォーマンスはできないなとか気持ちは変わらない。夢もありますよね」と話した。

 岩田も大会を見て「ダンスの世界ではみんなが知っている、YouTubeで見ていた人たちが生で見られました」と興奮気味。さらに「今、日本のキッズ年代のレベルは、実は世界一なんです。世界の中で日本のダンスがトップにいる可能性も秘めています。それがまた夢のある仕事にもつながっていくと思う」と未来を見据えた。

 ダンスバトルというと、“アンダーグラウンド”のイメージが先行し、なかなか身近に感じられないこともあるかもしれないが、広く「ダンス」を捉えると、中学の保健体育でダンスが必修化されて10年ほどがたったことなども相まって、身近なものになってきている。AKIRAは「僕らもストリート出身。これからも恩返ししていきたいです」。小林は「ダンス産業として、文化としてつなげていけたら」と話した。