テレビドラマ「必殺」シリーズや映画「お葬式」などに出演した女優菅井きん(本名佐藤キミ子)さんが今月10日午後2時に心不全のため亡くなっていたことが23日、分かった。92歳。所属事務所が発表した。通夜・葬儀は近親者のみで密葬で行い、偲ぶ会などを催す予定はないという。

 菅井さんは73年にスタートした「必殺仕置人」で藤田まこと演じる中村主水を「ムコ殿!」といびる姑せん役で人気となり、シリーズに欠かせない女優になった。「太陽にほえろ」で松田優作さん演じるジーパン刑事の母親役や、安達祐実主演の「家なき子」の鬼婆演技が話題となるなど、多くの作品で名脇役として活躍した。

 女優としての最後の出演は10年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」。その後は足腰が弱ったこともあって、高齢者向け施設で療養していた。14年に一部に「認知症を患っている」と報道された時に、テレビの情報番組に出演。認知症を否定し、元気な姿を見せていた。90年に紫綬褒章、96年に勲四等宝冠章を受章している。