英歌手ポール・マッカートニー(76)が10月31日、1年半ぶりの日本ツアーを東京ドームでスタートさせた。ポールは歓迎の拍手に、何度も手を上げて応えながら登場した。「コンバンハ、トーキョー。タダイマ」と日本語であいさつ。オープニングは64年「ハード・デイズ・ナイト」。名曲での幕開けに、4万5000人が歓声を上げた。

日本ツアーは、9月にカナダでスタートさせた世界ツアー「フレッシュン・アップ」の一環。同月、5年ぶりの新作アルバム「エジプト・ステーション」を発表したばかりだが、披露した計36曲のうち、新作アルバム収録曲は3曲だけ。ザ・ビートルズの楽曲が半数以上の21曲に及んだ。日本初披露の「From Me To You」から「ヘイ・ジュード」「イエスタデイ」などの名曲も織り交ぜ、ファンを喜ばせた。

日本ツアーは7回目。毎回、日本語でファンに語り掛けるが、今回も「ニホンゴ、ガンバリマス。ミンナ、イチバン」と宣言。序盤の曲で冒頭をアレンジし「イチバン♪ イチバン♪」と盛り込む場面もあった。

東京ドーム公演は22回目。海外男性ソロ歌手としては単独トップとなる最多記録となった。また、ソロ、グループを通じ、自身が持つ同所公演最年長記録を更新した。今日1日も東京ドーム公演を開催する。

公演は2時間半。ピアノ、ベース、ギター、ウクレレと4種類の楽器を弾き、ステージを駆け回った。アンコールではハロウィーンにちなみ骸骨のお面をつけ、日の丸を大きく振った。最後まで足取りは軽やかだった。【近藤由美子】