映画「駅までの道をおしえて」(橋本直樹監督)の公開記念舞台あいさつが19日、東京・新宿ピカデリーで行われ、主演の新津ちせ(9)らが出席した。

愛犬を失ったことを受け入れられない少女が、息子を亡くした老人との交流を通して成長する物語。

この日は、両親、祖父母を演じた坂井真紀(49)滝藤賢一(42)市毛良枝(69)塩見三省(71)も登壇。

塩見は「撮影した時間は宝物。新津さんと2日間、朝から晩まで縁側にいた。(新津演じる)彼女が考えてることと、おじいちゃんの考えてることが1つになる瞬間があった。新津さんとこんな時間を持てるんだ、と。そのことを思い出すと胸がきゅっとなる」と話すと、新津は「本当にうれしいです。ありがとうございます!」と、深々おじぎをして喜んだ。

坂井、滝藤、市毛も口々に新津が作品の雰囲気をつくっていったことを話し、15年前から映画化を熱望していた橋本監督も「ちせに出会ってようやっと、できました」と、新津を絶賛した。

新津は「大切な人や大切なペットをゆっくりと思い出す映画です。この映画も大切な思い出の1つになってくれればうれしいです」と呼び掛けた。

作品に登場した柴犬ルーも登場。撮影前に実際に一緒に暮らした新津は「ルー! ルー!」と大喜びで、ルーを抱きしめていた。

同作は作家伊集院静氏の小説を実写化。韓国、台湾、中国への配給も決定した。