「第61回輝く!日本レコード大賞」(主催・日本作曲家協会など)が30日、東京・新国立劇場で発表され、5人組の小中学生ユニットFoorinの「パプリカ」が、初の大賞を受賞した。平均年齢11・2歳で、史上最年少での受賞となった。最優秀新人賞は12人組女性グループ、BEYOOOOONDS(ビヨーンズ)が受賞した。

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日本中の子どもたちが歌い踊った「パプリカ」が、レコード大賞を獲得した。労働基準法の関係で、メンバーが午後10時前の大賞発表の瞬間をステージで迎えることはできなかった。すでに帰宅していたメンバーもえの(小6=11)が生電話で司会の安住紳一郎アナウンサー(46)と“異例”のやりとり。「すごくうれしいです!! 皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいです」と電話口で喜んだ。

「パプリカ」はNHK「2020応援ソングプロジェクト」による応援ソングとして、シンガー・ソングライター米津玄師(28)の作詞・作曲、プロデュースにより制作された。昨年8~9月のNHK「みんなのうた」で放送が始まると、覚えやすい歌詞と、辻本知彦氏(42)と菅原小春(27)が振り付けを担当したかわいらしいダンスが受けて、特に子どもたちの間で大人気となった。

幼稚園や小学校での発表会や、運動会で必ずといっていいほど同曲が流れた。YouTubeでMVなど関連動画の再生回数は3億回を超えるなど、今年に入っても勢いは衰えず、老若男女誰もが知る国民的ソングに。最年長ひゅうが(中1=13)は「学芸会で吹奏楽部が演奏して、全校生徒で大合唱になりました」とメンバーもそれぞれ旋風を感じながら活動。受賞発表後、AKB48、乃木坂46、DA PUMPら、他の優秀作品賞受賞者もそろって踊った。

グループ最年少で、新海誠監督の長女でもある、ちせは小3で9歳。大賞受賞曲への参加としては松井珠理奈(11年)岩田華怜ら(12年)の14歳(いずれも授賞式当日の出演はなし)を上回る最年少記録更新となった。米津は番組内のVTRで「とても忙しそうにしているのを見ていて、大丈夫だろうかと思ったりする。でもたくましく歌っているのを見ると、すごく誇らしい気持ちになります」。もっとも歌番組への出演が続く多忙な年末も、ちせは「読書感想文をちょっとやりました」と合間に宿題をこなしていることを明かすなど、純粋無垢(むく)な少年少女たち。令和初の栄冠に輝き、歴史を塗り替えた。

◆Foorin(フーリン) 2020に向けた応援ソングとして米津が作詞・作曲し、プロデュースを手がけた男女5人組の子どもユニット。メンバーはメインボーカルのひゅうが、もえの、コーラス&ダンスのたける(中1=13)、りりこ(小4=10)、ちせ。「パプリカ」を歌い踊る5人の姿を、米津が「風鈴」に例えて命名。