NHKは30日、この日スタートした連続テレビ小説「エール」(月~土曜午前8時)について、志村けんさん(享年70)の収録シーンはそのまま放送する予定だと発表した。最初に登場するのは5月1日の予定。

志村さんは日本を代表する作曲家の小山田耕三を演じ、昨年12月から収録に参加していた。直近は3月6日の収録に参加していたという。関係者によると、志村さんは昨年12月から今年3月までに計4回、収録に参加したとされる。5月1日放送の初登場後も数回、登場する可能性があるという。

今作は昨年9月17日にクランクインした。通常なら10カ月ほど撮影を行うが、今回は1年近くかけて撮影を行う予定だ。台本もまだ完成していない。関係者によると、小山田の未収録部分について、代役を起用するか、しないかなど含めて検討するという。

一方、同番組の土屋勝裕制作統括は訃報に触れ、コメントを発表した。「志村けんさんにとって初めての本格的なドラマ出演ということで、いつまでも挑戦し続ける志村さんの姿に、出演者・スタッフみんなが、志村さんからエールをもらいました」と感謝。

さらに「『エール』での日本音楽界の重鎮という役は、まさに日本のお笑い界の重鎮という志村さんにふさわしい役ではなかったかと思います。最後まで演じていただくことが、現場一同、望んでおりました。昭和、平成、令和と、ずっと第一線で笑いを届けてくれた志村さんには、もっともっとこれからも活躍されることを期待しておりましたので、本当に残念でなりません。謹んでお悔やみを申し上げます」と悼んだ。【中野由喜】