18年3月に第1子を出産した女優武井咲(26)が、来年1月7日のテレビ朝日系ドラマスペシャル「黒革の手帖~拐帯行~」(午後8時放送)で3年ぶりにドラマ復帰する。このほど武井が日刊スポーツのインタビューに応じ、久々のドラマ出演、女優業本格再開への思い、役者として求められる喜びを語った。

   ◇   ◇   ◇

復帰の心境を聞くと「不安がドッと押し寄せてくるような初日でした。でも現場に入るとスタッフの方々の熱量を感じて、そんな不安も吹っ飛ぶような世界観を作ってくれていました。スッと戻れたと思います」。柔らかくほほ笑んだ。

17年7月期に主演した同局系連ドラの単発作品。銀座でのし上がる若きクラブママ、原口元子を演じた。そうそうたる女優が主演した松本清張氏の名作で、当時23歳の武井は“最年少の元子ママ”が売り文句だった。放送時さまざまな意見が寄せられたが、割り切って作品に没頭できたのは「スタッフさんのおかげ」と感謝。撮影で旧知の面々と再会し「『お帰り!』みたいなあったかい気持ちで迎えてくださって。それはもう、うれしくてうれしくてたまらなかったです」。

09年にドラマデビューすると、出演作は絶えず、毎日が目まぐるしかった。仕事を離れて子育てに専念する日々を「365日ってこんなにゆっくり過ぎてるんだと感じる時もありましたし、自分のことより優先しなきゃいけないことに奮闘していたり。すごく人間的に生活していたのかな」。役者としての自分を省みることもあり「過去の作品を見て自分は浅かったなと思うこともあるし、自分が何かを経験したり、充実しているという思いがあれば、役に生かせることもあるんだと思いました」と話す。

「黒革-」で女優業本格再開の1歩を踏み出す。今後の活動への期待感を伝えると、照れ笑いでこう答えた。「普通の生活をしていると、求められる喜びを全てきちんと考えられていたのかなって思うんです。卑屈になっちゃう時もあるんですけど、素直にそう言っていただけると、照れくさいんですけどうれしいです。頑張りたいです」。

朗らかな笑みに、余裕が見える。日々の充実を感じさせた。【遠藤尚子】

◆「黒革の手帖~拐帯行~」 横領の罪を償った“銀座最年少ママ”原口元子(武井)は、刑期を終え出所。自分の過去を知る人のいない金沢で再出発し、高級クラブ「アルテローズ」で働き始める。そこで森本隆志という男に出会い、人生が大きく変わっていく。

◆武井咲(たけい・えみ)1993年(平5)12月25日、愛知県生まれ。06年「第11回全日本国民的美少女コンテスト」でモデル部門賞とマルチメディア賞をダブル受賞。12年NHK大河「平清盛」に出演。主演は14年フジ「すべてがFになる」、16年TBS「せいせいするほど、愛してる」など多数。ヒロインを演じる映画「るろうに剣心 最終章 The Final」が来年4月に公開予定。163センチ、血液型A。