世界3大映画祭の1つ、ベルリン映画祭の各賞が5日、オンラインで発表され、最高賞の金熊賞を争うコンペティション部門で、濱口竜介監督(42)の新作映画「偶然と想像」が銀熊賞(審査員大賞)に輝いた。「偶然と想像」は、偶然と想像をテーマにした3話オムニバス映画で、濱口監督初の短編集となる。3話に出演した俳優陣が祝福のコメントを寄せた。

第2話「扉は開けたままで」で芥川賞を受賞した大学教授を演じた渋川清彦(46)は「やったぜ!濱ちゃん、おめでとう!常に進歩しながらも変わらない濱口節というか濱口竜介が好きです。ベルリンの地で祝杯をあげたかったが仕方がないので、PCR検査を受けて東京で祝杯をあげたいところですね。これからも希望をみせてください。この作品に限らず声をかけてくれてありがとう!またよろしく!」と祝福した。

森郁月(32)は「銀熊賞受賞と聞き、感激しそして大変うれしく思います。強い意志を持って完成まで導いてくださった濱口監督、そしてスタッフ、キャストの皆様に感謝します。この作品を撮影した頃から完成までの間に、世の中の状況は大きく変化しましたが、この受賞を機に、世界中の皆様の元へこの作品が届くことを願っております」とコメント。

甲斐翔真(23)は「銀熊賞受賞の吉報を耳にして、大変うれしく思っております。この映画では、今までの自分にはない、挑戦的な役を演じさせて頂き、濱口監督の世界観にどっぷり身を任せ、見たことのない景色を見せて頂きました。この賞をきっかけに、海を越えて、より多くの方に届いて欲しいなと思います」とコメントした。

「扉は開けたままで」は、50代にして芥川賞を受賞した大学教授・瀬川(渋川)に落第させられた男子学生・佐々木(甲斐)が、逆恨みから瀬川を陥れようと、同級の女子学生ながら家庭を持ち不倫関係にあった奈緒(森)に、瀬川の研究室を訪ねさせる物語だ。