世界3大映画祭の1つ、ベルリン映画祭の各賞が5日、オンラインで発表され、濱口竜介監督(42)の「偶然と想像」が最高賞の金熊賞に次ぐ審査員大賞(銀熊賞)に輝いた。「『審査員からの賞』が贈られたことを心からうれしく、誇らしく思っています。撮影中ずっと、役者の演技を見ながらカメラの後ろで驚いていました。その驚きが海を超えて伝わったことに感激」とコメントを発表した。

「偶然と想像」は3話構成のオムニバス映画で、濱口監督初の短編集。脚本も自ら手掛け、19年夏から約1年半をかけて製作した。同監督は18年に監督作「寝ても覚めても」をカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品。20年のベネチア映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞した黒沢清監督の「スパイの妻」では、野原位氏とともに企画と脚本を担当。近年、世界3大映画祭のコンペ部門への出品が相次ぎ、日本映画の次代を担う逸材として世界から注目されている。

日本の公開時期は未定だが、第2話「扉は開けたままで」で芥川賞を受賞した大学教授役を演じた渋川清彦(46)は「やったぜ! 濱ちゃん、おめでとう!」と祝福のコメントを寄せた。