明石家さんま(65)と大竹しのぶ(63)の元夫婦が26日、都内で行われた劇場アニメ映画「漁港の肉子ちゃん」(渡辺歩監督、6月11日公開)の完成報告会にツーショットで出席した。2人が日刊スポーツが取材する中でツーショットを披露するのは、実に22年1カ月ぶり。大竹はさんまが企画・プロデュースの同作で、主人公・肉子ちゃんの声優を務めている。

バラエティー収録では、よく共演する2人だが取材陣の前では、1999年(平11)4月14日以来8078日ぶり。さんまがNHK大河ドラマ「元禄繚乱」にゲスト出演して会見した際に、同作に出演していた大竹が偶然を装って通りかかって以来だ。

さんまは「ひさしぶりに会見。となりに大竹さんがいる。再婚した方がいいですかね」とボケた。そして「5年越しで完成した。皆さんに100点をもらっていい作品ができました」と自信を見せた。そして「なんのすごい報告もございませんが、よろしくお願いします」と話した。

大竹が「本当にいい映画です。なんであたしなんだろうと、最初は思ったけど、原作を読んで、温かい映画になって『こんな、いい映画作る人だったんだ』と思った」と言うと、さんまは「カーッ」と奇声を上げた。

肉子の娘・キクコ役のCocomi(20)は、フルートで劇伴も担当した。「ハートウォーミングな作品になりました。すごく難しかったんですけど、アフレコの時に、さんまさんにすごく指導してもらいました。初挑戦で難しかったんですが、皆さんに助けていただいてやることができました。本当に神秘的な作品なので見てください」と笑顔を見せた。

さんまが「原作の西加奈子さんの『サラバ』という作品に『エジプトの人間はかわいいね、儲かりまっか、明石家さんという日本語だけ知ってる』と書いてあった。大阪弁が素晴らしくて、これだと思って、吉本の社長に言った。ポンコツ会見でおなじみの社長に」と説明すると、大竹が「流してやってよ」とツッコンだ。さんまは「その岡本(和彦)社長にお願いして、この作品が出来上がりました」と話した。

大竹が「画がきれいで、流れるようなストーリーで家族で楽しめる作品」と言うと、さんまが「え、俺の前で家族って言うの。前はいたんやけど」とボケた。大竹は「家族のいる人も、いない人も楽しめます」と言い直した。

大竹に主役の声を依頼した理由について、さんまは「僕じゃないんです。スタッフが大竹さんがいい、と」。大竹は「『どうしても、さんまさんが』と言われたので、分かりましたと言いました」。さんまは「アフレコ最後の日に(長男の)二千翔の誕生日だから家に来てと言われた。向かっている最中に電話が来て『ごめん、引っ越してた』と。ガソリン代返して」と笑った。

キクコの同級生の少年・二宮の声を演じた声優花江夏樹(29)が「本当にすてきな作品に参加させてもらえて、光栄です。でも、僕はアフレコでさんまさんと会ってません」と言うと、さんまは「俺も仕事があるがな。完璧でした、花江さんとしのぶさんは。自分たちでちゃんと用意していた」とたたえた。

ここで、アニメ界のカンヌ映画祭と言われるアヌシー映画祭に招待されて上映されることが発表された。さんまは「何かしら大きな力が動いたんじゃないの。吉本の」と笑った。

主題歌の「イメージの詩」を歌う人気子役の稲垣来泉(10)も登場。「まだ夢のような気持ちですが、完成報告会に登場できてとてもうれしいです」とあいさつ。さんまは「パソコンの画面で見つけて『こいつや!』って言ったのが、大当たりを引いてしまった。ボブ・ディラン風にって言ったら『はいっ』って答えた」と笑った。

稲垣が「私は原作を読んでから映画を見させていただいた。やっぱり肉子ちゃんがかわいくて、ずっと泣きっぱなしでした。ずっと感動していました」と続けると、さんまが「長いな!」とツッコミ。すかさず渡辺歩監督(54)「大丈夫、いきましょう」とフォローした。

さんまが「一番、いいコメントを言う10歳。一体、どんな環境で育ったんだろう。我々、子育て失敗した方ですから」と言うと、大竹が「ひどい」と苦笑いした。

渡辺監督は「みんな熱量が、今日の会見で伝わったと思う。肉子ちゃんの『普通が一番ええのやで』と言う言葉が、そのまま普通の映画になりました。ぜひ、楽しんでください」と話した。

原作は直木賞作家西加奈子氏(43)の累計35万部超の同名小説。漁港に浮かぶ船に住む2人きりの母娘、肉子ちゃんとキクコの軌跡と成長を描くハートフルコメディー。