5月下旬に左足大腿(だいたい)骨を骨折し手術した落語家林家木久扇(83)が10日、福岡・博多座で「芸能生活60周年記念落語会」に出演、観客の拍手に立ち上がって感謝するなど、順調な回復ぶりを見せた。すでに、レギュラー出演する日本テレビ系「笑点」(日曜午後5時半)の収録には復帰、東京・浅草演芸ホールで寄席に出演しているが、自分の名前が付いた大規模落語会に出演するのは、けがをして以来初。

約1500人収容の博多座は、ほぼ満席だった。中入り後、春風亭小朝(66)、木久扇の長男林家木久蔵(45)の幕前でのトークを繰り広げ、幕が開くと舞台にはいすに座った木久扇の姿があった。

木久扇は頭を深く下げ、鳴りやまない観客の拍手に思わず立ち上がった。2階席に手を振って喜び「まさか、高座に戻れるとは思ってませんでした」と感無量の様子だった。骨折も前向きにとらえ「足をけがするという失態でございますが、勉強はしっかりいたしました」と話して、「明るい選挙」を口演した。

当初の予定では、木久扇、小朝、木久蔵の3人で手締めを行うことになっていたが、桂文枝(77)笑福亭鶴瓶(69)、テツandトモも登場、出演者全員が3本締めし、木久扇の復帰を祝った。文枝は、木久扇の様子について「つえを、(つかないで)持って歩いている」と笑い、驚いていた。

今月25日には北九州で「芸能生活60周年記念落語会」に出演する予定。