元宝塚歌劇月組トップ娘役で女優の愛希(まなき)れいかが14日、大阪・梅田芸術劇場で、16日に同所で開幕する舞台「マタ・ハリ」の大阪公演(20日まで)取材会に、共演の田代万里生(37)三浦涼介(34)とともに臨んだ。

フランク・ワイルドホーン氏が手掛けるミュージカルは、18年に日本で初演され、3年ぶりの再演。第1次世界大戦下のフランスで、ドイツへのスパイを命じられた実在の女性ダンサー、マタ・ハリの運命を描く。愛希は、元星組トップであこがれだった柚希礼音とのダブルキャストで、主人公を演じる。

そのマタ・ハリについて、愛希は「私自身には想像しきれないような痛みや苦しみを経験し、そしてそれを乗り越えたからこその強さを感じる女性。強さがあるからとても美しく、愛を受けていないにも関わらず、とても愛情深い人」と分析し、役を作り上げてきた。

すでに東京、愛知公演を終え、宝塚時代に親しんだ同劇場での大阪公演開幕を控える。「無事に大阪に来られていることが何よりうれしく幸せです。大阪の皆様にも、さらにパワーアップした姿をお見せしたい」。在団中の“準本拠地”への凱旋(がいせん)には「大阪、そして梅田芸術劇場に来るとホームに帰ってきたという気持ちになり、今回もとてもうれしいです」と語った。

コロナ禍での上演にあたっては「劇場へお越しくださいとお伝えすることが難しい状況ではありますが、生の舞台はその時にしか感じられないものがたくさんあります。私自身、この時間が皆さんにとって幸せな時間になりますようにと願って舞台に立ちますので、ぜひ足を運んでいただけたら」と呼びかけた。

田代は加藤和樹とのダブルキャストでフランス軍のラドゥー大佐、三浦は東啓介とマタ・ハリの恋人で軍人のアルマンを演じる。

田代は「大変な世の中で、稽古期間から今まで数えきれないスタッフの方々に支えられて今日までやってきました。大阪は上演する8公演全てでダブルキャストの組み合わせが違います。なので8回みてもいいと思います」とPR。

三浦は「来ていただいたお客様にこのようなご時世ですが、その一瞬だけでも『マタ・ハリ』のことを考えて世界に浸っていただき嫌なことを忘れていただけるような時間になればよいなと思います」と話していた。