米俳優トム・クルーズ(59)主演の人気映画「ミッション:インポッシブル」シリーズ最新作の撮影が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で7度にわたって延期されたことを受け、制作する米パラマウント・ピクチャーズが保険金の支払いを求めて保険会社を訴えた。

同作は昨年2月にイタリアがロックダウンされたことを受けてベニスで行われていた撮影が中断されて以降、出演者やスタッフがコロナに感染するなどして撮影の中断を余儀なくされていた。

カリフォルニア州の連邦地裁に提出された訴状によると、昨年2月から今年6月の間に計7回撮影が中断されたうち少なくとも6回は新型コロナの感染拡大が原因だったが、保険金の支払いを巡って契約違反があったと主張している。

パラマウントはクルーズら主要キャストや監督が病気や死亡、誘拐などのために撮影ができなくなった場合などに生じる損失を補てんする1億ドル(約110億円)を上限とする保険に加入していたという。

しかし、保険会社は最初の撮影中断を巡って500万ドルを支払うことにしか同意しておらず、不足分の補償の支払いを求めていると英ガーディアン紙などが伝えている。中断による損害の総額は明らかにされていないが、500万ドルを上回るとしている。

同作を巡っては撮影中断の影響で今年7月に予定していた全米公開が来年5月に延期され、現在も英国で撮影が続いている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)