女優神田沙也加さんが、滞在先の札幌市内のホテルで18日に亡くなった。転落したとみられる。35歳だった。

19日、所属事務所が公式ホームページで発表し「信じ難く、受け止めることができない状況」とした。母で歌手の松田聖子(59)は、18日開催のクリスマスディナーショー後に1人娘の訃報を知り、人目もはばからずに号泣したという。

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神田さんは、札幌文化芸術劇場で公演中の主演ミュージカル「マイ・フェア・レディ」に出演中で、同市内のホテルに滞在。関係者によると、18日午後1時ごろ、22階建てホテルの14階屋上部分で倒れた状態で見つかり、救急車で病院に搬送された。北海道警は転落した可能性があるとみて、自殺と事故の両面で調べている。神田さんの遺体は、札幌市内に安置されているとみられる。

同日の昼公演に出演予定だった神田さんだが、体調不良を理由に休演すると発表、ダブルキャストの朝夏まなとが代演を務めていた。東宝演劇部は19、20日の札幌公演中止を発表した。

所属事務所は19日早朝、公式ホームページで「これまで神田沙也加を支えてくださった皆様にご報告させていただきます。2021年12月18日午後9時40分、神田沙也加(享年35)が急逝いたしました」と報告。「私共もまだ信じ難く、受け止めることができない状況でございます」と整理のつかない心境をつづった。

神田さんは、松田聖子と俳優神田正輝(70)の間に長女として誕生。「SAYAKA」の芸名で芸能界入りし、その後、1年の休業を経て本名で活動を再開した。デビュー後は両親の大きさが先行することもあったが、20歳ごろからミュージカル界でキャリアを積むと存在感を発揮。声優としても活動し、14年公開のアニメ映画「アナと雪の女王」ではアナ役の日本語吹き替えを務め、映画の人気とともに実力が広く世に知られた。音楽活動も並行し多忙となったが、14年の日刊スポーツの取材に「何ごともほどほどがいい。心身ともに万全の状態で仕事に臨めるのがいい」と今後の働き方についてコメント。「アナ雪」の大ヒットをへて「ここからどこまで自分が広がっていけるか」と意欲も語った。仕事は順調で、来春はミュージカル「銀河鉄道999 THE MUSICAL」でメーテル役を演じることも決まっていた。

私生活では17年に俳優村田充(44)と結婚し、19年に離婚した。

◆神田沙也加(かんだ・さやか)1986年(昭61)10月1日、東京都生まれ。01年にCM出演で芸能界入り。02年に「ever since」で歌手デビュー。03年のミュージカル「Into the Woods」を皮切りに舞台を中心に活躍。14年「アナと雪の女王」で声優アワード主演女優賞。同年NHK紅白歌合戦にも出場。18年ミュージカル「キューティ・ブロンド」で菊田一夫演劇賞。

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