舞台「千と千尋の神隠し」の初日記念会見が3日、東京・丸の内の帝国劇場で行われ、ダブルキャストで千尋を演じる女優橋本環奈(23)上白石萌音(24)が世界初演の喜びを語った。

01年に公開された宮崎駿監督のアニメ映画を、ミュージカル「レ・ミゼラブル」の演出で知られるジョン・ケアード氏が舞台化。

今回が初舞台となる橋本は「立ってみたら楽しくて。スポットライトを浴びているスリルと高揚感はほかでは味わえないと感じた」と、舞台の魅力に目覚めた様子。東宝創立90周年記念プロジェクトとして海外展開も視野に入れている作品とあって、「海外だったらどこでもやりたい。ジョンがいるので、ロンドンにも行きたい」と、世界進出にも意欲を語った。

上白石は「お稽古では、作品の素晴らしさに助けられることもあれば、それが壁に感じられることもあった」としみじみ。2月28日のプレビュー公演は演出の都合でぶっつけ本番で行われ「緊張で食べられず、体重が1・5キロ落ちました」。橋本が「私はやせてないです。いたって健康」と豪快に語ると、「この人、本番前にストレッチもしないんです」と大笑いで突っ込み、息の合った様子をみせた。

映画のシーンの“再現率”の高さも話題となっており、橋本は「神々もセットも壮大。ジブリパークに来たみたいで、千尋の気持ちを肌で感じます」。舞台を見たスタジオジブリ鈴木敏夫プロデューサーから「お世辞なしに本当に面白かった。原作へのリスペクトが感じられてうれしかった」とのコメントが披露されると、2人とも大喜び。「千尋として生きて、走り抜けたい」と誓っていた。

会見には、ダブルキャストで湯婆婆を演じる夏木マリ、朴〓(王ヘンに路)美も登壇。朴は、プレビュー公演について「まじでゲロ吐くかと思った」と振り返って笑わせ、「油屋一同、心をそろえて皆さんをお迎えしたい」。夏木も「7月(名古屋・御園座)まで続く舞台。日々ブラッシュアップして、毎日いいものになっていくと思う」と自信をみせた。