乃木坂46北野日奈子(25)の卒業コンサートが24日、横浜・ぴあアリーナMMで開催された。9年間の集大成となるパフォーマンスを披露し、ファン9000人を魅了した。

冒頭、初めて選抜入りした8枚目シングル「気づいたら片想い」(14年4月発売)からスタート。「ロマンスのスタート」で北野は、「今日は最後まで一緒に楽しんでいってくださ~い!」と笑顔で呼びかけた。「本当に緊張していて、(ステージに)入ってくるまでは、本当にこれは現実なのか疑ってしまうくらい夢のような光景で。でも今4曲やって落ち着いたので、ちゃんとやっていこうと思います」と意気込んだ。

この日は全25曲にフル参加。ほとんどの楽曲でセンターを務め、さまざまな表情で魅了した。「風船は生きている」「ブランコ」など、卒業した同期がセンターを務めたアンダー楽曲も次々と披露。自身が現役ラストのメンバーとなったユニット「サンクエトワール」の楽曲も歌い、「大人への近道」では2期生が特に好きと公言する4期生の林瑠奈(18)とダブルセンターでパフォーマンスした。

終盤には「裸足でSummer」で持ち前の笑顔を見せ、ファンからの人気も高く自身がセンターを務める代名詞的楽曲「日常」を本編ラストに披露。クールで激しいダンスで、ひときわ大きな拍手を浴びた。

アンコール冒頭ではドレス姿で1人で登場し、スタッフやメンバー、家族やファンに9年間の感謝を伝えた。「この9年間だけで、ああ自分の人生は本当にすごく幸せだったなと言い切れます」とニッコリ笑った。その後最新シングル「Actually…」収録の初ソロ曲「忘れないといいな」を歌唱し、続く「君は僕と会わないほうが良かったのかな」では、メンバー1人1人と顔を見合わせ、身を寄せ合った。

13年3月加入の2期生。気前のいい先輩としても知られる。開演直前のアナウンスから4期生が「日奈子さんが大好きです」と涙するなど、後輩からの信頼も厚い。3期生の中村麗乃(20)は「頑張り方がわからなかった時期に、日奈子さんがめちゃくちゃリハーサルとかいろんな場所で全力で頑張っている姿を見て、こうやって頑張ればいいんだっていうのを見せてくださったのが大きくて。それだけ大きな力を与えてくださった」と涙ぐんで感謝した。

先輩の1期生和田まあや(23)も「きいちゃんは乃木坂の円陣の掛け声『努力・感謝・笑顔』を全部持っている」と絶賛した。「リハーサルでも誰よりも大きな声で歌うし、今回も私たち1人1人にありがとうのメッセージをくれたし、あのすてきな笑顔に救われるし。本当にすごいなって思うし、私もきいちゃんみたいになりたい。尊敬できるところが沢山ある」と伝えた。

4月いっぱいで活動終了する。卒業後の進路は未定という。メンバーには「危なっかしい後輩でしたが、頼りない先輩でしたが、仲良くしてくれてありがとうございました」と感謝し涙をふいた。「みんなのことが大好きで、離れがたくてたまらないけど、私が大好きな乃木坂を、みんなが大好きな乃木坂を、どうかよろしくお願いします」と託した。

さらに「ずっとみんなの味方だから、なにかあったらいつでも連絡してね。日奈子、全部やっつける担当だから」とパンチのジェスチャーでアピール。「これからもずっとよろしくお願いします」と伝えた。

ラストは「笑顔で歌いきろうと思って、それはできたと思うので、120点です!」と笑顔。「思い残すことはもうありません! 本当に本当に楽しくて。わがままに付き合ってくださり、ありがとうございます」と感謝した。

「こんなに沢山の方が会場に来てくださって、配信も沢山の方に見ていただけて…」と感慨を込め、「9年間アイドルをしてきた上で、得たものが沢山あります。その大きな1つが、皆さんです。自分を大事に、大切な人を大事に、元気に楽しく過ごしてほしいです!」と呼び掛けた。「本当に9年間、たくさんお世話になりました!」と頭を下げ、笑顔で手を振った。

控えめなメンバーが多い乃木坂46に、貴重な明るさで花を添え続けた功労者が、9年間を締めくくるラストステージを終えた。【横山慧】

◆北野日奈子(きたの・ひなこ)1996年(平8)7月17日、北海道生まれ、千葉県育ち。愛称「きいちゃん」。大の犬好きで愛犬「チップ」を飼う。13年3月に2期生として加入し、14年4月「気づいたら片想い」で初選抜入り。158センチ。血液型O。