香取慎吾(45)が、映画「犬も食わねどチャーリーは笑う」(9月公開、市井昌秀監督)に主演することが12日、発表された。

「凪待ち」以来3年ぶりの映画出演で、岸井ゆきの(30)と共演する。香取を当て書きにした脚本で、大切な人との絆を取り戻すコメディー作品。

結婚4年目を迎える田村裕次郎(香取)と日和(岸井)は、表向きは仲良し夫婦だが、日和がこっそり投稿していたSNS「旦那デスノート」をきっかけに、少しずつ小さなすれ違いがつまびらかになっていく。タイトル内のチャーリーとは、劇中に登場するフクロウで、2人が飼っているペットの名前だ。

香取と市井監督との出会いは、十数年前にさかのぼる。08年のぴあフィルムフェスティバルで、審査員を務めていた香取が市井作品を高く評価し、同監督はグランプリを受賞した。その時に、いつか一緒に、香取と映画の仕事をしたいという強い思いが芽生えたという。

その後、20年1月に出した香取のソロアルバムの収録曲「FUTURE WORLD(feat.BiSH)」のMVを、市井監督が撮ることに。それが後押しとなり、MV撮影終了後に、監督は香取を主演に据えた脚本の執筆に取り掛かった。

香取らがコメントを寄せた。

◆香取慎吾 また、映画に出演させてもらえて、とてもうれしいです。初めて市井監督の映画に参加しました。初めて岸井ゆきのさんと共演させてもらいました。笑顔のはじめましてが絡み合いながら、SNS「旦那デスノート」にもがく裕次郎を演じました。恐怖の連続でした! 自分の知らないところで、自分の知っている人が、自分のことをさらしている! コメディーです。コメディーだけど、泣けるんです。いい意味で。

◆岸井ゆきの 私は本当の夫婦の感覚を知らないのですが、両親をずっと見てきて、何もないようで何かある空気、本心を悟られないように諭そうとする威厳、笑いながらいさめる態度、不思議な関係だと思いました。そんなことを考えて芝居をするのは、いつかあるかも知れない未来を追いかけるようで面白かったです。そして、隣にいる相手が幼少期から拝見している香取慎吾さんだなんて身の引き締まる思い。毎日が優しい光であふれて、香取さんと楽しくお話しさせていただいている時間は自分でも不思議でSFみたいで、市井監督と現実的な会話で構築していく物語はファンタジーで。皆様がこの映画をどう感じるのか…私も楽しみにしています!

◆市井昌秀監督 なんらかのすれ違いで妻に憎たらしさを覚えた後、笑いながら誰かと電話するその背中を見て、「この人は何者なんだ?」と感じる時がしばしばあります。結婚って、夫婦って、男と女って、一体なんなんだろう? なんだか厄介で面倒なものを抱えて、どこへ向かっているのだろう? わからないその先を、香取慎吾さんと岸井ゆきのさんで見たいと思いました。平凡で情けなくダメな田村裕次郎、笑顔の片隅で毒を盛る田村日和と一緒に。