松重豊(59)小林聡美(56)が18日、東京・テアトル新宿で映画「ツユクサ」(平山秀幸監督、29日公開)完成披露プレミアイベントに出席した。

同作は、小林演じる主人公・五十嵐芙美の日常に起きた、小さくて大きな奇跡から、日常には奇跡があふれていると気づかせてくれる物語。主演の小林は「私はあまり恋愛絡みのシチュエーションがこれまでなくて、台本に書かれていたんですけど…物語の流れで出来ればいいなと思って撮影に臨みました」と振り返った。

松重は「僕はこのテアトル新宿で、何度死んだか、何人殺したかと、そういう専門の俳優だったので、まさかこの年になって恋愛というものを担うなんて夢にも思っていなくて、挑戦でした」と笑いながら、振り返った。

松重は小林との共演について「小林さんは、思春期のころにスクリーンの向こう側にいた方っていうイメージがある」と話し、「僕がぎゅっと、思春期に戻ってしまうので、そこが冒険でもあり、照れくさくもあり、一番新鮮な感覚でした」。小林も「気になり出すとあれなので、『どこのアイスがおいしい?』とかそういう話をしていました」と率直に話し、「初めての役どころを松重さんと、ということで安心感はありました」と明かした。

斎藤汰鷹(12)、ベンガル(70)平山秀幸監督も出席。平山監督は「10年前から今の映画の形は出来ていたんですけれど、10年たって、このメンバーで映画を撮れたことがうれしいです」と感激し、「この作品は見ていただいて、ほっこりしていただければ本当にうれしいです」と胸を張った。

松重は「悲劇に変えるか、喜劇に変えるかはとらえ方次第だと思いますし、映画の中で特別なことは起こらないですけど、自分の中でおもしろいものに変えていけるものだと思います」と作品への思いを語った。