世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭(フランス、17日開幕)事務局は2日(日本時間3日)、河瀬直美監督(52)が手掛けた21年の東京オリンピック(五輪)公式記録映画「東京2020 SIDE:A」(6月3日公開)を映画祭で上映すると発表した。河瀬監督が映画祭に出席することも、併せて発表した。
また、1972年(昭47)のミュンヘン五輪公式記録映画として73年に公開された「Visions of Eight」も上映される、ダブル上映となる。カンヌ映画祭事務局は「国際オリンピック委員会(IOC)の公式記録映画の製作活動を祝するため」と上映の意図を説明。24年にパリ五輪を控えていることも踏まえ「パリ大会でも継続される公式記録映画に敬意を表した」とした。
「東京2020 SIDE:A」は、18年秋に東京オリンピック(五輪)公式記録映画の監督に就任した河瀬監督が、20年開催予定の大会に向けて取材を続けたがコロナ禍で1年延期。その後も取材、撮影を継続し、21年7月の開幕前にバッハ会長に2本立て構想を提案。総記録時間は5000時間に及び、選手を中心とした関係者を描いた「東京2020 SIDE:A」と、大会関係者、市民、ボランティア、医療従事者ら非アスリートたちを描いた「-SIDE:B」と、異なる視点からの2作品を製作。「-SIDE:B」は6月24日と2作連続で公開する。
河瀬監督は、3月24日に都内で開いた会見で「日本が変わらなければいけないこと、変わらなくてもいいことを受け継がなければいけない。そこを描けるといい。私たちの選択が正しかったか、間違っていたか含め、次の世代の方に1つの教科書のような形にしていただけると、ありがたい」などと語った。またコロナ禍で開催に反対する声があり社会が分断したこと、森喜朗氏が女性蔑視発言で組織委会長を辞任した件も触れることも明かしている。
またミュンヘン五輪公式記録映画「Visions of Eight」は、64年の東京五輪記録映画として65年に公開された「東京オリンピック」を手掛けた市川崑監督ら、世界各国から8人の映画製作者を集め、異なるテーマで製作した映像をまとめた作品。同監督は陸上100メートルを担当した。
カンヌ映画祭事務局は「東京2020 SIDE:A」について「河瀬監督は東京五輪公式記録映画を、彼女のスタイルと、その繊細さで作りました。スポーツ、日本、国家間の結び付きを描いた力作で、物理的な搾取を超え、魂を刻む真のメッセージ。カンヌの大スクリーンで、その美しさに圧倒されることは間違いない」と評した。
また「Visions of Eight」については「73年のカンヌ映画祭でワールドプレミア上映された、この映画は、監督たちがそれぞれの視点で異なるスポーツを撮影し、各監督が選んだスポーツの野心、パワー、ダイナミズムを印象づけた」と説明。翌23年が公開から50年であることも併せて紹介した。カンヌ映画祭には、製作に携わった8人の監督の1人で、本編内の「敗者たち」を担当した、フランスのクロード・ルルーシュ監督(84)が参加する。



