朗読ユニットKIREIの初公演「KIREI de SHOW」が5日、東京・紀尾井町サロンホールで開かれた。午前、午後の2回で160人を集めた。

KIREIは元フジテレビ寺田理恵子(60)元静岡第一テレビ松坂貴久子、元静岡エフエム放送・中村悦子の3人。アラ還の元局アナが、通っていた朗読教室で意気投合して結成した。

この日は「還暦」をテーマにエッセーや小説を朗読。最後は寺田が作詞して、寺田の長女のシンガー・ソングライターゆりえが作曲したテーマ曲「きらめき☆マイストーリー」を熱唱した。

自身の新人時代を振り返って、寺田は「『オレたちひょうきん族』で、先輩の山村美智子さんの代打で出演したのがデビューでした」。日テレ系列だった松坂は「入社3週間くらいでバスタオルを巻いた姿で、温泉から『徳光(和夫)さんにズームイン!』ってやらされました。今じゃ、考えられない。セクハラとかパワハラとかいう言葉がない時代でした」と笑った。

中村は「私はラジオのアナウンサーだったので、華やかなテレビは別世界だと思っていました。1人で全部やらされた時代です。取材して、原稿を書いて、話しながら、テープもレコードもかけました。CDじゃありませんよ」と振り返った。

そして「よくレコードの45回転と33回転を間違えたんです。シングルレコードの45回転を(LPの)33回転でかけると、かわいい声が大変な声になったんです」と振り返って、3人で実演。キャンディーズの「年下の男の子」を普通の45回転バージョンで歌った後に、33回転のゆっくり、低音バージョンで歌って笑わせた。

寺田は「部活みたいな感じですね(笑い)。月に1回集まって好きにやる感じでやっていければ」。松坂は「1980年代に『新人類』と言われた世代です。朗読は、顔のしわは伸ばせませんが、心のしわは伸ばせます」。

中村は1968年(昭43)に霞が関ビルが立った時と、2019年(平31)年に虎ノ門・麻布台の再開発が発表された時の2つのユースを読み上げた。「時代が変わると、ニュースを読む速さも、建物の高さも2倍になる。でも、時代が変わっても、ニュースの伝え方は言葉そのものですね」と話した。

3月にエッセー「60代、ひとりで前向きに生きる」(さくら舎)を出版した寺田は「今回は構成を考えましたが、これからもいろいろと企画していきたいですね」。舞台女優への挑戦については「朗読で台本を見ないで話さなくてはいけないところがあるので、せりふ覚えは大丈夫だと思います。テーマソングは、松坂さんが作ろうよというので、作詞以外は全部、ゆりえに任せました。振り付けは、次女にやってもらいました」と笑った。