デビュー45周年を迎えた歌手松山千春(66)が12日、東京・有楽町の東京国際フォーラムホールAで、全国ツアーの東京公演を開催した。会場は約5000人のファンで埋まり「流れ星」からスタート。「旅立ち」「季節の中で」「長い夜」など全18曲を熱唱した。

千春が「俺の髪の毛がたくさんあったことを知っているのはいるか」と聞くと、会場からは大きな拍手がわきあがった。「見渡す限り、還暦に近い人ばかりだけど、女子は特にマスクを外さない方がいいぞ。マスクをしていると若く見えるからな。20~30代の集まりかと思うよ。それにかわいく見えるし」と毒舌は全開だった。

この日は、ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナの歌姫で、バンドゥーラ演奏家のカテリーナ(35)がゲスト出演した。

千春が「プーチン大統領はなぜ、独立国家を武力で侵略するのかわからないが、ウクライナの方々は逃げ惑う生活を送っていて、日本人は何もできないもどかしさがある」と語ると、カテリーナは「ウクライナはずっとロシアに押さえ付けられきた。今回もロシアが仕掛け、何の罪もない子どもたちが殺されている」と訴え、千春も「人の将来を奪うこと、人の未来を奪うことが一番よくない」と応じた。

カテリーナはウクライナの第2国歌である「ウクライナ」のほか、「翼をください」を日本語で歌唱すると、会場から大きな拍手を受けた。千春は、バンドゥーラの弦が65本もあると聞くと驚き「どうやってチューニングするんだ。俺なんか、6本でも大変なのに」と笑いを誘い「ウクライナの国花でもあります」と「ひまわり」を熱唱。「ウクライナの支援はできないし、ロシアに今すぐやめろと言ってもその声は届かないけど、カテリーナのバンドゥーラを聞いて、少しでもウクライナへの思いをはせよう」と語った。

春のツアーは4月16日の川口市からスタート。6月29日の札幌公演まで、全国15都市で19公演を開催する。