米俳優マシュー・マコノヒー(52)が7日、米テキサス州の小学校で5月24日に起きた銃乱射事件を受け、ホワイトハウスでバイデン米大統領と面会し、銃規制の強化を訴えた。

19人の児童と教師2人が殺害された乱射事件が起きたユバルディはマコノヒーの生まれ故郷で、バイデン大統領との面談後にホワイトハウスの会見場で約20分間にわたって銃規制の必要性を訴える演説も行った。

マコノヒーは事件後にユバルディを訪れ、犠牲者の家族とも面会して多くの時間を過ごしており、会見には命を突然奪われた子供が履いていたスニーカーを膝の上に抱える妻でモデルのカミラ・アルヴェスの姿もあった。21人の犠牲たちの略歴や将来の夢を紹介する際には、声を震わせ、何度か言葉を詰まらせる場面もあった。

マコノヒーによると、遺体は軍用ライフルによる損傷が激しく、DNA鑑定やスニーカーなど身に着けていた遺品で身元を確認しなければならないほどだったといい、「遺体は化粧だけでなく、大規模な修復が必要だった」と悲惨さについても言及。

購入できる最低年齢を引き上げていれば18歳になったばかりの容疑者が殺傷能力の高いAR15型の半自動式ライフル銃を入手することを防げたかもしれないと語り、購入可能な年齢の引き上げや銃購入時の犯罪歴調査の厳格化、学校の安全対策などを訴えた。

自身も銃の所有者であるマコノヒーは、「責任ある銃の所持者は、錯乱した一部の人によって憲法上の銃保有権が乱用されるのにうんざりしている。規制は憲法上の権利を後退させるものではなく、前進させるものだ」と述べ、「失われた命を無駄にしてはいけない」と力強く語った。演説はネットで大きな反響を呼び、称賛されている。一方、会見場では一部右翼メディアから非難の声が上がっていたという。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)