綾野剛(40)が主演を務めるTBS系連続ドラマ日曜劇場「オールドルーキー」(日曜午後9時)が初回から2話連続で、平均世帯視聴率2桁超えと好調だ。綾野演じる元アスリート・新町亮太郎がスポーツマネジメントの世界に飛び込んで奮闘する姿が描かれている。そんなスポーツマネジメントの世界のモデルとなった人物がいる。元巨人、MLB投手の上原浩治さんやカブス鈴木誠也(27)らが所属するスポーツマネジメント会社「スポーツバックス」の澤井芳信社長だ。

第3話放送前に取材に応じ、自身の野球人生や、スポーツマネジメント駆け出しの頃を振り返った。

澤井さん自身も元アスリートだ。いわゆる「松坂世代」で、京都成章時代は、1番・主将・ショートとして松坂大輔さん擁する横浜高校と98年夏の甲子園決勝を戦い、同志社大、かずさマジック(現日本製鉄かずさマジック)で野球を続けた。

現役引退後の07年にスポーツマネジメントの世界に飛び込み、今に至る。

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澤井さんは、大学3年時に関西学生リーグベストナインを受賞し、3年後期までに卒業に必要な単位を全て取得して、プロ野球入団に備えた。スカウトにアピールすべく、野球に専念したが、最終学年は大学4年間で一番悪い成績に終わってしまったという。「メジャーリーガーになりたかったので、トライアウト受けたんですよ。(地元の)京都新聞に、(シアトル)マリナーズがトライアウトやるってでていて。大学のみんなに内緒にして、真っ白なユニホーム着ていって。でも後半の最後の試験までは残ったんですけど落ちて。日本のプロを目指してやろうって思って社会人野球にいった」。

社会人野球では、即戦力でないとプロ野球にはいけないと考え、期限を2年間と決めていた。しかし「逆に、返り討ちを食らって…」。悩み、考えすぎてうまくプレーできなくなり、イップスにもなった。2年が終わる際に、野球が嫌で辞めそうになった。監督に「辞めたいです」というと「お前をとるためにクビになったやつもいる。だから勝手に辞めるのは違う」と説得された。

もう1度野球に向き合い、イップスも治して、試合にも出場できるようになった。しかし、「松坂世代」の仲間、特に高校大学のチームメートがプロの世界で活躍するのをみて、「その環境では到底むりやなって」。やりきったという思いをもって、納得して現役生活に終止符を打った。

そのまま会社に残る選択肢もあったが、野球を辞めようと考えていた社会人野球2年目あたりから、その後の人生について考えるようになっていたといい、スポーツマネジメントの世界に挑戦することを決めた。

スポーツマネジメント会社に就職し、まもなく配属されたのは、会社がマネジメントを担当していた、著名な元アスリートの経営していた飲食店だった。

「事務所がフランチャイズするからってお前いってこいって。ほんま全部やっていました。ホール、デシャップ、厨房と」。数回都内の店舗で経験を積んでから、宇都宮店の立ち上げに携わった。午前2時、3時まで働いて、数時間睡眠でまた出社する日々。アルバイトの採用面接などもやった。「だし巻き卵を巻くのはうまくなりました。今でも娘はぼくのだし巻き卵が大好きです」と得意げに笑った。ちょうどドラマの中でも、佐々木主浩氏が、元アスリートで経営者に転身した本人役で登場し、同店で主人公・新町が勤務する様子が描かれている。

数カ月の飲食店勤務を終えて、晴れてスポーツの分野に異動。野球ではないスポーツの担当もした。1日5件のアポイントメントをとって、テレビ局に通うなど、無我夢中で仕事に没頭した。【佐藤成】(続く)