投資トラブルの渦中にあると報じられた、TKO木本武宏(51)が23日、所属事務所の松竹芸能を退所した。

松竹芸能は、木本が一連の報道の過熱を受けて退所を希望したため同日で契約を終了したこと、独自調査をしたものの全容の把握には至らなかったと報告。木本はツイッターで「必ず近日中に事の経緯をきちんと説明させて頂く所存です」と明言した。木本に近い関係者は、投資のための資金を渡した投資先を刑事、民事の両方で法的措置をすべく弁護士に一任して動いていると明らかにした。

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木本が1990年(平2)の養成所入所以来32年、所属した松竹芸能を退所した。同社は「本人より退所の希望がございましたため、同日付を日をもって本人との契約を終了することになりました」とした。

今月初旬に個人的な投資活動に関するトラブルが発生しているのでは、との情報が松竹芸能に入った。同社は木本への事情聴取と並行し独自調査も重ね、芸人仲間や関係者から集めた出資金を投資先に預けたことなど、一部の情報は得たが全容の把握に至らなかったという。被害を受けたという人物からの連絡は入っていないが、迷惑をかける可能性を考慮し、出演の見送りや出演者の変更を先んじて申し出たという。

木本はツイッターで「この度はお騒がせしてしまい申し訳ありません。本日をもって松竹芸能を退所することになりました。必ず近日中に事の経緯をきちんと説明させて頂く所存です。ご迷惑をおかけした番組・スタッフ・スポンサー・友人の皆様、またこんな私の事を応援してくださったファンの皆様に心からお詫び申し上げます」と謝罪し、近日中の説明を約束した。

木本に近い関係者は「木本の気持ち、スタンスとして必ず誠意をもって対応し、うそ偽りなく話します」と説明。木本自身は早急な説明を強く希望したが、資金運用の実態や金額を含めた被害の規模を調査中であること、債権者の存在、コロナ禍を踏まえ、現時点では対応を保留しているとした。

同関係者は現状、把握していることとして、木本が集めた出資金を直接運用した事実はなく、集めた全額を投資運用をもちかけた「相手方」に預けたとし、一部報道にあった仮想通貨関連の投資はないとした。その上で「相手方から何ら返金がない場合でも逃げ隠れせず、返せるように誠意をもって努力、対応するというスタンスです」と木本の思いを代弁。その上で「木本は相手方に対して刑事、民事の両方で法的処置をすべく、弁護士に一任して動いております」と明らかにした。

芸能界引退と一部で報じられたが、現時点では考えていないものの、各所に多大な迷惑をかけている中でのメディアへの露出は、あまりに不謹慎との判断から自粛しているという。何より「(騒動を)解決することが第一優先事項であり、自分の将来を考える余裕はない状態」(同関係者)と説明。退所についても「これ以上迷惑をかけられないという思いと、木本本人が周囲に対してケジメを見せなければならないと、わがままを言って退所させていただいた次第です」とした。

◆木本武宏(きもと・たけひろ)1971年(昭46)5月6日、大阪府生まれ。米フィリップス大日本校を中退し、中学時代の友人の木下隆行と1990年(平2)に松竹芸能タレントスクールに入所し92年にTKOを結成。94年にABCお笑い新人グランプリ新人賞と「爆笑BOOING」(関西テレビ)4代目グランドチャンピオン。09年9月に「S-1バトル」で、吉本興業所属芸人以外で初の月間チャンピオンに。俳優としても活動し、17年の「おんな城主 直虎」でコンビとして大河ドラマに初出演。19年秋に木下が後輩芸人へのパワハラ疑惑が報じられ、20年3月に退所。