代表作「勝手にしやがれ」などでフランスの映画刷新運動ヌーベルバーグの中心的存在として活躍した、ジャンリュック・ゴダール監督が13日、スイスの自宅で死去した。91歳。死因などは不明。現地複数メディアが報じた。

長編デビュー作の60年「勝手に-」はジャン=ポール・ベルモンドさん主演、ともにヌーベルバーグの旗手となったフランソワ・トリュフォー監督(84年死去)が原案。セットでの撮影が主流の時代に、街頭ロケや即興演出など独創的カメラワークを用いて映画界に革命を起こし「女は女である」(61年)「気狂いピエロ」(65年)などを発表。ヌーベルバーグをけん引した。

30年パリ生まれ、スイス育ち。ソルボンヌ大在学中にトリュフォー監督らと出会い、当初は名門映画誌カイエ・デュ・シネマで批評執筆を行った。68年、パリの学生や労働者を中心に起きた「五月革命」の際は、連動する形で映画界への権力介入や商業主義に反発。同年、トリュフォー監督らとカンヌ映画祭に乗り込み中止に追い込んだ。

80年に商業映画復帰後も革新的作品を送り出した。83年には「カルメンという名の女」でベネチア映画祭の金獅子賞(グランプリ)を受賞した。

68年にはザ・ローリング・ストーンズのドキュメンタリー映画「ワン・プラス・ワン」も発表。「勝手にしやがれ」の邦題は沢田研二をはじめ、日本の複数歌手の楽曲名にオマージュされている。