NEWS加藤シゲアキが23日、都内で、作家生活10周年を記念した書籍「1と0と加藤シゲアキ」(KADOKAWA、30日発売)刊行記念イベントを行った。

加藤は12年「ピンクとグレー」で小説家デビュー。「10周年を支えてくれた関係者の方や読者に面白いものをお届けしたい」とアイドル兼作家として駆け抜けた10年を1冊にまとめ、「やりたいこと全てができた、夢のような本ができました」と笑みを浮かべた。

自身が企画・編集長を務め、内容は作家生活を語るロングインタビュー、恩田陸氏、中村文則氏、又吉直樹ら加藤リクエストの人気作家陣による競作、白石和彌監督らとの対談など盛りだくさん。ページ数は400を超えた。編集長として、時には作家陣に原稿の進み具合を確認し「早いなという人もいれば、全然上がってこない人もいる。編集の方の気持ちがよく分かりました」と笑った。

出版にあたり、自身が原作・脚本・監督・主演を務めたショートフィルム「渋谷と1と0と」を製作。書籍には原作短編や脚本なども収録した。原作と映像作品で異なる味わいの作品が完成し「胸を張って言いますけど、僕にしかできないことをやったんじゃないかな」と手応え。小説を書き始める以前から映像製作に興味を持っており「作家に集中して向き合ってきたら、映像作品のお話がふと湧いてきた。10年以上前に見た夢が、気付いたらかなっているのが面白い」と感慨深げ。「やりたいことはたくさんあるけど、作家として書き続けた先に、まだまだ面白いことがあるんだろうな」と語った。

10年を振り返っては「自分は新人賞を取らずに文芸界に入った。歓迎されないと思って始まったチャレンジが10年。いろんな方が支えてくださった」と感謝。今後については「小説を書き続けていかなければいけないし、10年たって、小説って楽しいなとまた思えている。いい作品を作っていくことが自分のやるべきこと」と話した。

書籍には「ピンクとグレー」を読んで作家を志したという若手の珠川こおりさんも参加作家に名を連ねる。加藤は「自分が書いた小説が誰かのチャレンジのきっかけになるとは、想像もしていなかった」。また「もう新人じゃないんだと寂しさはあります。やや中堅になってしまったんだなということも含め、責任ある作家として頑張っていかないとならない」と前を見据えた。