宮沢氷魚(28)が19日、東京・テアトル新宿で行われた映画「エゴイスト」(松永大司監督、2月10日公開)プレミア上映会に登壇。20年に亡くなった高山真さんの自伝的小説の映画化作品だが「実は数年前に1度、お話をいただいて台本と原作を読んだ時、なんて美しい物語なんだろう…1人でも多く届くなら絶対、出たい。やりたいです」と即答したものの「その時は作品として実現しなかった」と1度、出演を諦めざるを得なくなった過去を明かした。

宮沢は、主演の鈴木亮平(39)が演じる、出版社でファッション誌の編集者の斉藤浩輔が指導を受ける中、ひかれ合っていくパーソナルトレーナーの中村龍太を演じた。1度、企画は立ち消えになったが、宮沢は「その時から2、3年くらいたって、今度は映画化するんですけど、どうですか? と話が来た時に、すごく運命的なものを感じて…やっと皆さんにお見せできるものに参加できるんだと思った」と成立した当時の喜びを吐露。「この作品に対する思い入れは、たくさんあります。(公開は)本当なのかなという、夢のような瞬間です」と、檀上に立って、公開に向けてあいさついることへの感慨を口にした。

宮沢と鈴木には檀上で、LGBTQ+インクルーシブディレクター、インティマシー・コレオグラファーといった、ゲイ当事者から撮影現場でアドバイスを受けての役作りについて質問が出た。宮沢は「自分が発した言葉とか行動が、正しいのかどうかという判断は、もちろん僕たちは出来なくて。指導してくれることで、逆に僕らは自由に思ったように、やってアドバイスをいただいた。いらっしゃることで、どんどん、自由にお芝居できたので本当に助けられました」と感謝した。

劇中で、龍太が「浩輔さん」と呼び掛け、振り返った浩輔にキスするシーンがある。宮沢は「4、5テイク目の時に、監督から『浩輔さんじゃなくて亮平さんって言って』と言われて、はい、分かりましたと」と、浩輔を演じる鈴木に本人として声をかけるよう指示が飛んだエピソードを明かした。その上で「何回もテイクを重ねると慣れてくる。新鮮な新しい反応を求めてのことだったと思う。そういう指示を出してくださる監督はいない。新しい表情が見られたと思います」と振り返った。