世界72カ国で制作されている人気オーディション番組「Got Talent」シリーズの日本版「Japan’s Got Talent」(2月11日からABEMAで放送)の決勝が25日、都内で行われ、オペラ歌手のMaria Seiren(マリア セレン)さんが優勝した。

男声と女声の歌を歌い分ける両声ヴォーカリストで、「日本にいながら世界に挑戦できるチャンスを絶対つかみたい」と意気込んで参加。準決勝では、1人でカウンターテナーとテノールとを歌い分ける「Time To Say Goodbye」を披露。審査員の判断で、そのブザーが鳴ると1発で進出を決められる「ゴールデンブザー」を獲得して決勝へ進むと、最後は「Jupiter」を熱唱して頂点をつかんだ。

審査員の1人を務めたGACKTも「歌が非常に美しい」と絶賛した。マリアさんは「これがゴールではなくて世界に向かうスタートだ、そういう風に思いました」と喜んだ。声変わりを機に両声で歌うことを始めたといい「自分の声がどんどん低くなっていくことに耐えられず、どうにか少年のときのような声が取り戻せないか、ひたすら歌ってみたら突然できるようになったので…やはりコンプレックスに立ち向かうことが、神様からギフトをもらえたのではないのかなと思います」と語った。

賞金1000万円はウクライナとトルコへの募金と、世界へ出るための資金にするという。自身の持つ「Mondo Parallelo歌劇団」という劇団の劇場をつくりたいとも打ち明け、「日本に根付いている素晴らしい和の文化を世界に魅せられたら嬉しいなと思います」と野望を口にした。

番組では予選を勝ち抜いた参加者らの準決勝、決勝の模様を3週にわたって放送。決勝は25日に生放送された。審査員には浜田雅功やGACKT、山田孝之、広瀬アリスと豪華メンバーが名を連ねており、オーディション参加者を鼓舞し応援する進行役は、お笑いコンビのかまいたち、応援アンバサダーを、ゆりやんレトリィバァとウエスPが務めた。

同番組は05年に英国で放送されたパイロット版が反響を呼び、06年に米国でも放送が開始。審査員のストレートな発言や、参加者のハイパフォーマンスが話題となり、すぐに中国やフランス、インドなど世界中へ波及。194カ国、計10億人以上が視聴しているとされ、1番組の72カ国展開は14年にギネス世界記録にも認定された。日本版は制作権を浜田らが所属する吉本興業が獲得。参加ジャンルは自由で優勝賞金は1000万円となっていた。