2025年の大阪・関西万博のテーマ事業プロデューサーを務める、河瀬直美監督(54)が26日、都内で行われた「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」アワードセレモニーに出席した。その檀上で、自身がエグゼクティブディレクターを務める、なら国際映画祭のプロジェクト「NARAtiveJr(ナラティブジュニア)」で作られた短編映画「縁々」を紹介した。
なら国際映画祭では、次世代の映画人を育成する取り組みとして、一線で活躍する映画監督を講師に招き、中高生が主体となって構想、撮影、編集、上映までを行う「ユース映画制作ワークショップ」を行ってきた。「縁々」は、ユース映画制作ワークショップに中学生の頃から何度も参加してきた、村松希祥(むらまつ・きさ=19)監督が、同部門を卒業した年に監督としてデビューし、今年2月に撮影を行った。
主演は、カンヌ映画祭で最高賞パルムドールを争うコンペティション部門に出品され、役所広司(67)が男優賞を受賞した映画「Perfect Days」に出演した、新人女優の中野有紗(18)が務めた。河瀬監督は「本当に、希祥ちゃんが『有紗がいい』ということで…先見の明があるというのか」と、カンヌ映画祭で世界に向けて輝きを発揮した中野の資質を、3歳しか年長ではない村松監督が見抜いたと明かし、顔をほころばせた。
村松監督は「15歳の時に、なら国際映画祭と初めて出会って、そこからいろいろ、すてきな大人と出会うことが出来て、この舞台に立てたことを、うれしく思います」とあいさつした。そして「やはり脚本の段階だけじゃなくて、現場で奈良の自然だったり役者さんの感情を目の当たりにして、映画がその場で作られていく、素晴らしさを感じました」と、新人監督とは思えないほど、しっかりと撮影の感想を語った。
中野は「新人ということで、まだ至らない部分も、たくさんあったと思うんですけども、映画というものは人の心に訴えかけるものがあるということを、改めて感じましたし『縁々』という作品を通じて、登場人物の心の繊細さだったり奈良という地の美しさを伝えていければいいなと思っております」と、あいさつした。そしてカンヌ映画祭について「初めて映画祭というものに行かせていただいて、こんなにも日本映画を受け入れてくださる方々が、世界中にいるんだということに、日本人に生まれて誇らしく感じました」と語った。
あまりに、しっかりとしたあいさつに、河瀬監督も、思わず「有紗ちゃんって、幾つなんだっけ?」と問いかけた。中野が「18になりました」と返すと「10代のチームが、こんなにすてきな作品を作ってくれた。しっかりしてますよ。映画の未来は、すごく明るい感じがしています」と喜んだ。



