俳優駒木根葵汰(23)が10月5日スタートのBS-TBSドラマ「天狗の台所」(木曜午後11時)で、初の漫画原作作品の主演を務める。「イケメン高校生」という評判からひらけた俳優の道。作品に懸ける思い、今後の夢を語ってもらった。【加藤理沙】

「イケメン」のうわさを聞き付けたスカウトからのSNSでの連絡が芸能界入りのきっかけだった。

「農業高校出身なのでインスタグラムで制服の写真、農業高校らしい作業着にくわを持った写真とか、本当に男子高校生らしい投稿をしていました。気張っている性格でもなく世間知らずの学生だったので『ホリプロから連絡が来た!』ってノリノリで会いに行って。親や周りの先生は『詐欺だ』って騒いでいましたね。今は、もうちょっと疑いの目を持っていても良かったのかなと思います(笑い)」

現在の人生は「想像してなかった」と明かし、「当時は働きたくないから高校卒業したら、海外でフラフラと生活しようかなと思っていたくらい。考えるのが怖いですね」と笑った。

初めて役者の仕事をしたのはオムニバス映画「LAPSE~失敗人間ヒトシジュニア~」(アベラヒデノブ監督、19年公開)だった。「バラエティー番組、恋愛リアリティーショーでそれなりに知名度もあって満足をしていたのが『これは恥ずかしくて見せられない』と思えたことが演技を勉強しようと思ったきっかけでした」

21年、スーパー戦隊シリーズ「機界戦隊ゼンカイジャー」で主演。事務所の先輩、榊原郁恵(64)との共演が学びになった。

「お芝居のこと、自分の映り方ばかりを考えていたんですけど、郁恵さんと一緒にいる時間が増えて、現場の雰囲気、現場での振る舞いを教わりました。出るのは僕たちですけど、作品をより良くするため、居場所を作ってくれるスタッフさんとのコミュニケーションを大切にするべきだ」と振り返った。

話題作への出演、活動の幅が広がっている。

「自分の役割や立場を理解することは変わらないです。『星降る夜に』(テレビ朝日系)では北村匠海さん、吉高由里子さん、みんな現場の雰囲気が良くて。特に光石研さんはずっと気遣ってくれてこういう人間になりたいと思うようになりました」

「天狗の台所」は月刊誌「アフタヌーン」に連載されている、田中相氏の同名コミックが原作。初めての漫画原作に「考えることはたくさんあった」と話す。

「自分と似ている部分を探したり、見た目でどこを似せられるか? 逆に自分を出した方が良い部分はあるのか? あんばいを自分で考えながら、実写ならではの良さも生かしました」

撮影は静岡・御殿場で約1カ月間。実際の日本家屋やあぜ道の撮影。料理シーンも印象に残ったという。

「食事には見た目も手が込んでいました。僕の演じる基は家事も畑仕事が完璧で、家族や兄弟に素で打ち解けられない部分も見どころです。ずっと穏やかで幸せな気持ちで見ていられる作品でした」

ブレーク必至の若手俳優、塩野瑛久(28)越山敬達(14)らと共演した。

「越山くんとは毎日ずっと一緒にいて。隣の部屋で寝坊してたら起こしに行ったり、『宿題やれ!』って言ったり、本当の兄弟のようでした。1日だけ撮影が早く終わった日に『さわやかハンバーグ』を食べて、彼は次の日から『さわやか行きたい』って毎日言ってました(笑い)」

作品の見どころについてこう答えた。

「僕も東京に出て初めて1人暮らしをしてから、食事って自分の身体の一部になるから大切にしないと、って思うんです。自分の手でしっかり作って愛を持って食事を頂く大切さを実感して欲しいです」

今後挑戦したい役柄は「戦争、ヤクザ、極悪犯」と即答し「恋愛は前のめりじゃないんです」と告白。続けて「スーパー戦隊で一緒にやっていた子、竹内涼真君とか同じ事務所の先輩方と共演したい」という。

「恋愛はむずむずするんですよね。周りに見られると思うと恥ずかしくて。極悪犯のほうが、現実味がないじゃないですか。友達に『お前ああいうキスするんだ』とか言われたら、どう返したら良いのか…」

今後の展望を聞くと「健康でいられたらそれで一番」と渋い回答が。続けて「どんどん世に出て、いろんな作品を届けることが僕に出来ることだと思うので、丁寧に演じたい。家族や友達が自慢に思う自分になりたい」と飛躍を誓った。

◆駒木根葵汰(こまぎね・きいた)2000年(平12)1月30日、茨城県生まれ。18年4月Popteen第4回次世代イケメン総選挙にノミネートされ、モデルとして活動。恋愛リアリティー番組「太陽とオオカミくんには騙されない」で話題。TBS系「差出人は、誰ですか?」フジテレビ系「アイゾウ 警視庁・心理分析捜査班」、23年公開映画「ネメシス 黄金螺旋の謎」などに出演。178センチ。

◆天狗の台所 天狗の家系は14歳の1年間、世俗を離れて隠居生活を送るというしきたりがある。それを守るため、ニューヨーク育ち、14歳の天狗の末裔(まつえい)オン(越山敬達)が、日本で暮らす兄で、羽が生えている飯綱基(駒木根葵汰)と同居生活を始める、おいしいスローライフストーリー。