ロック歌手矢沢永吉(76)が20日、神奈川・ぴあアリーナMMで、ソロデビュー50周年全国ツアー、EIKICHI YAZAWA CONCERT TOUR「Do It! YAZAWA 2025」最終公演を行った。
1975年(昭50)4月13日、日比谷野外音楽堂でロックバンド「CAROL」は幕を閉じた。だがそれは、矢沢永吉の幕開けでもあった。同年9月21日、「I LOVE YOU,OK」でソロデビュー。その後、東京ドーム公演日本人最年長記録、日本武道館公演通算160回達成(13日時点)など、数々の記録とさまざまな記憶をファンに届けてきた。
横浜は高校を卒業後、最初に降り立った街。それだけにファンの熱も高い。その多くは白いスーツ姿で駆けつけ、開演前、絶え間なく“永ちゃん”コールを続けた。
会場が暗転すると、バックモニターにメンバー紹介と歌唱映像が流された。映像が終わると再び暗転し、まばゆいばかりのステージライトがともされるとメンバーが登場。オープニングナンバー「さまよい」のイントロを演奏すると、ファンのリズムに合わせた拍手で、黒のインナーに濃紺ジャケット合わせたサングラス姿の矢沢が姿を見せた。白いマイクスタンドを使ったおなじみのアクションで、会場の空気を支配した。
歌い終わりでグラスを手にすると、それをあおった。その後、両手を広げると、「ようこそファイナルにいらっしゃいました。今から2時間、一緒にいこうぜ!」で2曲目「テレフォン」へとつなげた。
「今日は朝からちょっと変です」と切り出すと、「千秋楽という言葉は相撲やお芝居でいうけど、ロックには似合わないね。ファイナルステージ、今年の」と静かに語った。「どこまでできるか分からないけど、俺、まだずっと歌っているから、よろしく」と伝えると、ファンから温かい拍手を浴びた。
また、「正直言って、こんなに長く歌えると思っていなかった」と打ち明け「30歳のころ、50歳まで歌えればと思って、50歳で『I LOVE YOU,OK』を歌えれば…と話したけど、それはそう思っていなかったから」と明かした。「それがもう76です。みなさんホントにありがとうございます」とファンへ感謝した。「永ちゃんサイコー!」と沸く会場を前にニヤリとすると、「いいね!」と返した。
ライブは矢沢らしいロックナンバーを主体に構成。「いろんなことを思い出す。でも、ただ1つハッキリしていることは、まだライブをやりたい。やり続ける」とファンと誓うと、「いっぱい飲みたい気分だ!」と叫んだ。
本編ラストでは紙吹雪演出のタイミングがずれ、「紙吹雪遅いよ!」とステージでほえた。だが、「今日初めてなんだ」とフォロー。その紙吹雪の中、ステージから去って行った。その様はまるで吹雪を引き裂く“ロックの神様”だった。
アンコールでは白スーツで登場。「止まらないHa~Ha」「トラベリン・バス」を披露し、熱いロック魂をぶつけあうコール&レスポンスも見せた。最後はしっとりと「真実」を聴かせた。せり出しで、ピンスポットライトを浴びて歌う姿はまるで宗教画を感じさせた。ファンの温かい拍手に包まれ、ステージを後にした。そのステージスクリーンには、矢沢のあのロゴが映し出されていた。
この日、ほぼMCなしの約2時間で「止まらないHa~Ha」など全20曲を披露。節目となったツアーの歌唱曲数は延べ330曲超、合計動員数は約30万人となった。それでも、矢沢はまだまだ止まらない。【川田和博】



