ジャーナリスト後藤謙次氏が、17日放送のTBS系報道番組「報道特集」(土曜午後5時半)にVTR出演。高市早苗首相が電撃的に衆院解散を決断したことの舞台裏を解説した。

番組では、安倍晋三首相在任中の14年、「アベノミクス解散」と名付けて衆院を解散した一方、閣僚2人が直前に辞任していたことで、野党から疑惑隠しとの批判が起きた事例を紹介。安倍首相が17年にも「国難突破解散」と銘打ち、少子高齢化や北朝鮮対応を理由に解散したが「大義なき解散」と批判があったことや、「森友・加計」問題への追及があったことも伝えた。両選挙とも、与党が大勝したことも報じた。

後藤氏は、高市首相が安倍首相の手法に影響を受けたのではないか、との私見を展開。「選挙というものを、自分の政権運営、権力維持に最も有効に利用したのが安倍さんだと思います」と解説。「それを間近に見ていた高市さんは、安倍さんの手法に今も憧れているんじゃないですかね。この手法が高市さんには、たぶんまぶしく、まぶたの裏に焼きついているんじゃないでしょうか」と、持論を述べた。

一方、解散が首相の専権事項とされることについて、憲法7条が根拠とされているが、「総理の専権事項」との明記はなく、異論がある現状も報道。後藤氏は「憲法7条解散というのはずっと、違憲の疑いを指摘する学説も当然存在する。だけど権力を持っていると、それが使えるのだということで、恣意(しい)的に今回のような解散権行使を許してしまう。極めて悪しき慣習が日本で定着してしまった」と苦言を呈した。

後藤氏はこれに先立ち、今回の高市首相の決断について「これまでの抜き打ち解散は野党側に対して出し抜く解散だった。ところが今回は、党の幹部にも連絡しない。総理のクーデターという要素が非常に強い」と私見を展開。また、高市首相誕生の立役者だった麻生太郎副総裁や、鈴木俊一幹事長にも事前に解散の根回しがなかったとして「今回は『麻生外し解散』という面もあるんじゃないかと思いますね」とネーミングした。

高市首相が高い支持率を背景に解散判断したとみられることにも触れ「この政権は『バルーン政権』だと。気球ですね、気球。ヘリウムガスが入っている限りは高く上っている。高市さんの場合は、気球の空気が抜けてしまうと、柱が何もない。非常に強そうに見えて、危うい政権だと思います」と警鐘を鳴らした。

自民の内部に不満の声があるとも紹介。後藤氏は「公明党頼りだった人は、いきなり自分の足元が崩されてしまう。なんでこんな強引なことをしたんだ、と当然不満が出て来ます。きちんとした後援会組織を持った(自民党)議員の方が圧倒的に少ない。全く戦略がないまま、(選挙戦に)突入するんじゃないでしょうか。不信、不安、不思議、この3つの『不』が自民党の空気を反映しているんじゃないでしょうか」と語った。