俳優竹中直人(69)が23日、都内で行われた「第60回 紀伊國屋演劇賞」の贈呈式に出席した。

竹中はキューブ企画製作「竹生企画」公演「マイクロバスと安定」の演技が評価され、個人賞を受賞した。「自分がこんな場所に立っているのは、足が震える。子供の頃から自分というものに自信が持てなくて、自分じゃない人間になればいいと」と話し、急に声を大きくして身ぶり手ぶりで「何かのキャラクターをね、持ってれば話せるんだ。ハハハ」と笑わせた。

「僕は新劇に憧れて、自分じゃないものになろうと、青年座の劇団員になりました。憧れの賞を、まさか自分がとれるなんて。70歳を前にもらえるなんて、まだ頑張らなくちゃいけないということでしょう」。そして「本当にうれしくて、恥ずかしい」と話し、また声を大きくして「どんなおじいちゃんになっても、やってくよ。たくさんの顔があって楽しいよ」と締めくくった。

他に団体賞は劇団扉座、個人賞は日色ともゑ(84)、片桐はいり(63)、杉山至(59)、安井順平(51)、特別賞は美輪明宏(90)、井上麻矢(58)が受賞した。

劇団扉座は「北斎ばあさん-珍道中・神奈川沖浪裏-」「つか版・忠臣蔵2025」の舞台成果が評価された。

日色は劇団民藝「八月の鯨」「記憶の危うさについて」の演技。片桐は「誠實浴池せいじつよくじょう」「彼方の島たちの話」の演技、杉山は「砂漠のノーマ・ジーン」の舞台美術、安井は「ずれる」「最後のドン・キホーテTHE LAST REMAKE of Don Quixote」の演技に対して賞が贈られた。

美輪は演劇実験室◎天井棧敷の旗揚げ公演から「毛皮のマリー」「双頭の鷲」「黒蜥蜴」の主演など長年の舞台芸術への功績、井上は井上ひさしの優れた戯曲を継承し、長年にわたって公演を行い続ける功績から受賞した。

審査委員は小田島恒志、大笹吉雄、長谷部浩、林あまり、高井昌史。団体賞には賞状と賞金200万円、個人賞と特別賞には賞状と賞金50万円が贈呈された。