女優の菜葉菜が28日、都内で、主演映画「金子文子 何が私をこうさせたか」(浜野佐知監督)の初日舞台あいさつイベントに登壇した。
1926年に大逆罪で死刑判決を受け、23歳で獄中で自死した金子文子の実話を映画化。残された短歌をもとに、判決から自死に至る121日間のたった1人の闘いを描いた。
菜葉菜は、最後まで国家権力に反逆した文子を演じた。「今の時代だからこそこの映画を届けたいと思いますし、何か響くものがあるのではと思います」とあいさつした。
文子は今年で没後100年。長年映画化を切望し、監督人生の集大成として完成させた浜野監督(77)は「たった1人で国にけんかを売って闘った女性。文子が私たちに教えてくれたのは、尊厳を持って生きる、自分の頭で考えるということ。尊厳を持って、自分で考えて、私たちはこれから日本という国で生きていかなければならない。そういうものを皆さんにお伝えしたかった」と熱く語った。
浜野監督とのタッグは3作目となる。菜葉菜は「どの作品も監督の思いと覚悟がものすごく伝わってくる。金子文子を知れば知るほど、恵まれた時代に生まれた私が、あんな壮絶な人生を送った文子を演じられるのかとすごいプレッシャーがあった」と吐露。せりふの練習をしても「こんなに不安になった役はない」と言うほどだった。だが初日に死刑判決のシーンを撮り「腹の底から湧き出る感情と言葉が出て、そこからは邪念なく自然なお芝居を出すことができた」と振り返った。
文子は23歳で短い生涯を閉じたが「彼女が残した魂はこれからも残っていくと信じています。国からも親からも存在を認められなかった彼女を、皆さんがこうして知ってくださったこと、私自身も救われる思いです」。熱演した菜葉菜を、浜野監督は「金子文子が乗り移ったみたい。50年監督やってますけど、初めての経験。金子文子が出た!と思ったらOK。そういう不思議な体験をしました」とたたえた。
文子の同士・朴烈役の小林且弥(44)、予審判事・立松懐清役の三浦誠己(50)、池田マサ役の白川和子(78)、大西ヤスエ役の咲耶(25)も出席した。



