歌舞伎俳優片岡愛之助(54)が2日、大阪松竹座で開幕したさよなら公演「御名残五月大歌舞伎」(26日まで)に出演した。

愛之助は昼の部の「義賢最期」で、組んだ戸板とともに倒れる“戸板倒し”や、仁王立ちのまま三段に倒れる“仏倒れ”の演出を披露し、義賢の壮絶な最期を演じた。

実はこの演目、愛之助にとって思い入れの深いものだった。

公演に先立ち、自身の公式ブログを更新。「普段初日はおめでたいのですが、今月は複雑です。想い出いっぱいの松竹座が取り壊しとなる最後の公演なので。私が20年前初めて『義賢最期』の義賢を勤めさせて頂きましたのが、この松竹座です」と松竹座への思いをつづった。

続けて「2024年11月29日に南座の舞台稽古で顔面に大怪我をしてからは、もう演らないでおこうと決めた演目です。何故なら『義賢最期』は幕切れに『仏倒れ』と言われる、階段を顔面から落ちる様な演出が有ります。松竹座も最後となると、思い入れの有る演目は『義賢最期』かなと思い、今回選ばせて頂きました。命を懸けて日々挑みます。松竹座最後の昼の部『義賢最期』見届けてやって下さいませ。先ずは初日行って参ります」と演目への思いと意気込みを明かしていた。

愛之助は夜の部「近江源氏先陣館(おうみげんじせんじんやかた)盛綱陣屋」「當繋藝招西姿繪(つなぐわざおぎにしのすがたえ)」にも出演する。

1923年(大12)に道頓堀に建てられた大阪松竹座は老朽化が進み、閉館、解体が決まった。だが、その文化的価値や役割に鑑み、同館を所有、運営する松竹は「新たな文化芸能の発信拠点の実現に向けて取り組んでまいります」として、劇場機能を継続する方向で大阪府・市と協議を続けている。