こんにちは。先週の土曜日にエプソム競馬場で英ダービーが行われ、勝ったのはディープインパクト産駒最終世代のオーギュストロダンでした。

英ダービーを制したオーギュストロダンとムーア騎手(ロイター)
英ダービーを制したオーギュストロダンとムーア騎手(ロイター)

ディープインパクト産駒らしくしまいの切れ味で他馬を圧倒する、素晴らしい勝利だったと思います。去年からオブライエン師はこの馬で牡馬3冠を狙うと話をしていたので、前走の2000ギニーで惨敗した時は心配しましたが、しっかりダービー用の仕上げをされて挑んだと感じさせる内容でした。鞍上のムーア騎手は、これまでも多数のディープインパクト産駒に騎乗し、外国人騎手の中で誰よりも熟知している騎手だと感じるので、馬本来の特徴を存分に発揮させる騎乗が出来るのは、これまでの経験が活きたのだと思います。

以前にムーア騎手(真ん中)、矢作師(左から2人目)らと撮った写真です
以前にムーア騎手(真ん中)、矢作師(左から2人目)らと撮った写真です

私は、マーフィー騎手をはじめさまざまな騎手の通訳という立場で、これまで数多くの世界的騎手たちと時間を過ごさせていただきました。どの騎手も来日の理由に「ディープインパクト産駒に乗りたいから」と話していたのが印象的でした。今年の2月にムルザバエフ騎手の通訳をした時も、ディープインパクト産駒であるオープンファイアに騎乗した時に心から喜んでいました。ディープインパクトが世界的大種牡馬である事が誰もが認めていましたが、今回の英ダービー制覇でそれを証明出来た事は、ムーア騎手自身が一番喜んでいるかもしれません。

安藤氏がポスト・ディープとして期待するキタサンブラック(社台スタリオンステーション種牡馬展示会=2023年2月7日)
安藤氏がポスト・ディープとして期待するキタサンブラック(社台スタリオンステーション種牡馬展示会=2023年2月7日)

海外の生産者は日本で次のディープインパクトを探したいと思いますが、私の中ではキタサンブラックではないかとひそかに期待しております。私が生きている間に、ぜひまた日本馬の血統で英ダービーの勝利を目の当たりにしたいと思います。

また、いつかは日本調教馬と共に英国クラシックに挑戦し、勝利の瞬間に立ち合いたいです。これからヨーロッパ競馬のハイシーズンとなるので、オーギュストロダンがどれほど活躍してくれるかも期待したいです。(レースホースコーディネーター)