皆様いかがお過ごしでしょうか。

サウジCデーはご覧になられたでしょうか。日本馬の大活躍に興奮された方も多いのではないでしょうか? 私も大興奮でした。そんな時間をくれはった日本馬や関係者の皆様、本当にありがとうございました。そして優勝されたお馬さんたちや関係者の皆様、本当におめでとうございます。

そんな中でも、日本馬初のサウジCを制覇されたパンサラッサ号。獲得賞金で話題にもなっていますが、何と言っても「日本馬・日本人騎手・日本人調教師」での制覇。本当にすごいことだなと思います。私自身逃げ馬が好きなこともあり、パンサラッサ号の「来るなら来い。パンサラッサはここにいるぞ」という感じのレースがとても好きなので、サウジCは見ていて感動しました。

この勝利で矢作調教師は海外G18勝目だという記事も目にしました。日本のみならず海外でも活躍されていることが本当にすごいなと感じます。これからもたくさんの日本馬や日本人の競馬関係者が世界中で活躍される姿を見られることが楽しみでなりません。

きっとこの特集号が発売される頃、ドバイワールドCデーが終わっていると思います。サウジCデーに出走したお馬さんたちはそのままドバイへ、日本からも期待のお馬さんたちがドバイに向かうという事でワクワクが止まりません。お馬さんたちや関係者の皆様の無事と大活躍をお祈りいたしております。

さて、話題は日本の競馬に戻るのですが、今年も新たな女性騎手が誕生しましたね。栗東では3年連続4人目、美浦では7年ぶりだそうで、合わせて6人の女性騎手さんたちがターフをにぎわせています。

正直、私が厩務員さんの頃はこんなに女性騎手が増える時代が来るなんて思ってもみませんでした。「ええ時代になったな」、なんておばちゃんは思いながら毎レース応援しています。何様目線やねん(笑い)。今年の小倉競馬場では「女性騎手4人勢ぞろい対決」という事で結構話題にもなりましたが、これからはどこかで6人の対決が見られる事でしょう。

さて、今年デビューされた小林美駒騎手と河原田菜々騎手とは残念ながら面識はありません。今村聖奈騎手がデビューされた時も思いましたが、彼女たちからしたらお母ちゃんと同じくらいの年齢か、もしかしたらお母様はもっとお若いかもしれません。

私が彼女たちの年齢の時を思い出すと「絶対厩務員さんになるんだ」と意気込んではいましたが、単身北海道へ向かう飛行機の中ですでにホームシックになり泣いていました。たぶんお隣に座っていた方は驚いてはったのではないかと思うほどの大号泣でございました。

今となっては「北海道にかえりたい」なんて言うているんですけどね(笑い)。知らない土地へ、知らない人たちのもとで、いつ帰れるかわからない不安が一気に押し寄せたのを思い出します。ついこの間の様に感じますが、もう20年以上前の事なんやなと思うと今更ながら驚いています(笑い)。あの頃の私と同じ年齢の彼女たちが勝負の世界に飛び込んでいく姿を見ていると、ますます応援に力が入ってしまいます。

そんな私のお話は置いといて、女性騎手のお話に戻りましょう。

昨年デビューされた今村聖奈騎手。昨年大活躍で重賞初騎乗初制覇、そして女性騎手として初めて最多勝利新人騎手に輝きJRA賞を受賞されました。いつもの勝負服の聖奈騎手ももちろんすてきなのですが、授賞式のあでやかなお着物姿の聖奈騎手はまた違った魅力ですてきでしたね。ちょっと仲良くしてもらっているからと「うちの子すてきじゃない」なんてテレビを見ながら言うていました。勝手にお母ちゃん目線(笑い)。そんな聖奈騎手も後輩がデビューしてどの様に変わっていかはるのでしょうね。そんなところも今度会えたら聞いてみたいなんて思っています。

聖奈騎手だけでなく、永島まなみ騎手も古川奈穂騎手も藤田菜七子騎手も皆、活躍されていますね。特に冬の小倉開催では女性騎手さんたちの頑張っていはる姿に私も元気をもらいました。すごく積極的なレースをしはるなと思ってみていたら永島まなみ騎手だったとか、競り合いに負けてへんなと思ってみていたら古川奈穂騎手だったとか、すごい脚で追い込んできたなと思ったら藤田菜七子騎手だったとか。

性別で分けるような時代ではないのですが、圧倒的な男性社会の競馬の世界でこれだけ存在感のある活躍をされている女性騎手さんたちは本当に尊敬します。だからこその悩みや葛藤などもあるのではないかと思います。今は無くても働いていく中で、働く女性ならではの問題が出てくることもあるでしょう。彼女たちには勝負の世界で戦う事とともにそんな問題とも向き合っていくということも出てくるかもしれません。少しでも長く、多くの女性騎手が活躍される姿をみたいと思っているので、力になれることがあるといいなと思いながら応援しています。

さて、そんな乙女たちの戦いは人間だけでなく、お馬さんの世界でも繰り広げられます。今年最初のクラシック。若い乙女たちだからこその課題や問題などを乗り越えてたどり着いた桜花賞という舞台。

このコラムを書いている今は、春の足音が近づいてきている感じがしています。きっとレース当日は若き乙女たちが、春の暖かい日差しを浴びながら満開の仁川の桜をバックに熱い戦いに挑むことでしょう。私にもそんな時代があったなと思いながら、応援しようと思います。

さて今回はこのあたりで。皆様、ごきげんよう。

笑顔でパドックを周回する河原田騎手
笑顔でパドックを周回する河原田騎手