誰か連勝の仕方を教えてくれ! 5回まで2安打2失点、8奪三振と快調だった阪神ランディ・メッセンジャー投手(33)が6回に突如、崩れた。雨でぬかるむマウンドに気を取られたように4長短打を集中され、一挙に5失点した。まだ3月。中日相手に開幕3連勝を決めてから、勝利の次戦はこれで7連敗。連勝もカード勝ち越しも果たせず、借金返済が滞っている。イラッ。
メッセンジャーのイライラは頂点だった。集中のベクトルは打者ではなく、足元のぬかるんだ赤土に向いていた。雨が一層強くなった1点リードの6回1死一、三塁。マウンドに集まるチームメートには目もくれず、審判団に言葉を投げかけた。すぐさま整えられたマウンドも、乱調の大男に効果は与えなかった。
「不運が重なったね」
2死二、三塁で5番ロペスへのカーブは外角の真ん中に浮いた。三塁線を抜ける打球を見つめ、天を仰いだ。逆転の2点二塁打で、それまで投じていた89球の粘りが吹き飛んだ。「いいところに投げたんだけど打たれた。調子自体は良かった」と強がったものの、さらに追い打ちを食らう。7番荒波へのカーブが高めに浮き、試合を決定づける3ランを右翼スタンドへ運ばれた。2死から一挙5失点で今季ワースト7失点の屈辱。マウンド周辺をぐるぐると回ると、ラッキー7を前にうなだれる左翼スタンドへ視線を送ることしかできなかった。
初回の2失点から1度は立ち直った。2回2死一塁で9番モスコーソから空振り三振を奪うと、回をまたぎ自身最長タイとなる6者連続奪三振。それだけに中西投手コーチも「途中からだいぶ修正できた。ただ、5回にマウンドに砂を入れて逆にふかふかになりすぎた」と6回に訪れた突然の乱調を悔やんだ。結果的に10奪三振で、両リーグ外国人単独1位となる12度目の2桁奪三振を記録。だが、7カード連続勝ち越しなしの悲劇に快挙を喜ぶ立場ではなかった。
開幕投手を託された男が2年ぶりの3連敗。3回の先頭で立った打席では1度もバットを振る動作を行わなかった。見逃し三振に倒れ「ボールが来るだろうと思って見送っていただけさ。別になにもないよ」とだけ語った。和田監督も「初回の失点でイライラしていたんだろうな。そこらへんのところ整理つかないまま打席に入っているから」と頭を抱えるしかない。今季最多の借金4へ逆戻りという結果が横浜の夜に残った。
明るい兆しがすぐにしぼむ今のチーム状況。メッセンジャーは中5日で28日ヤクルト戦(甲子園)にまわる予定だ。大黒柱がふらつき、連勝の道を閉ざしてしまった。【松本航】
▼メッセンジャーの3連敗は13年5月31日オリックス戦~6月22日DeNA戦以来だが、登板した3戦連続となると12年6月22日DeNA戦、28日中日戦、7月6日巨人戦に続き自身ワースト。通算45敗目で外国人ではキーオの44敗を抜いて球団単独2位。なお最多はバッキーで73敗。
▼敗れはしたが10奪三振で来日12度目の2桁奪三振をマーク。メイ(阪神-巨人)を抜いて外国人投手としてプロ野球最多となった。2回モスコーソから4回ロペスまで6者連続奪三振は14年4月17日広島戦、9月2日DeNA戦と並び、自身最長。球団最長は7者連続(14年藤浪など5人)。
▼阪神が、3月27~29日の開幕カード中日3連戦以来となるカード勝ち越しを逃した。3月31日~4月2日ヤクルト戦から今回まで、7カード連続で勝ち越しがない。また今季の連勝も開幕カード中日戦3連勝のみ。4戦目のヤクルト戦に敗れたのを含み勝利の翌戦は7戦連続で敗れている。



