9月男が上り調子だ。阪神マット・マートン外野手(33)が今月2度目の猛打賞で、打線爆発を導いた。3四球でもらった3回1死満塁の大チャンス。1球目のボールを見逃して、苦しむ中日浜田達をさらに追い込んだ。後は浮いてきた直球を振り抜くだけだった。
「今の自分の状態はボールを良く見えている。逃さずに打てたよ」
ライナーは右翼の前に弾んでいた。あまりの勢いに、二塁走者の鳥谷は三塁ストップだ。チーム初安打となる先制の右前適時打が、1イニング7得点の号砲になった。「いいピッチャーが多いから、なかなか点が取れない。毎試合、毎試合結果が出るわけではないけれど、これを続けていければと思うんだ」。4回と6回には、2死走者なしからの中前打で3者凡退を防いだ。地道な1本を積み重ねる大切さを、マートンはしみじみと実感する。
打率2割6分と苦しんだ12年シーズンを含めて過去5年、9月はすべて3割2分以上の打率を残してきた。3日広島戦では、プロ野球最速となる入団6年目での1000安打を達成。「日本最速」の勲章についてはまず、周囲に感謝した。次に「今と過去では1年の試合数が違う」と言った。その最後に、ワンフレーズだけ自分を褒めた。
「6年間、大きなケガをせずにプレーをすることができたね」
徹底した日々のトレーニングが、シーズン終盤の沈みを防止する。日本6年目の9月もこれで3割5分3厘。お立ち台では「マイニチ、ウィン、ウィン、ウィン、オネガイシマス!」と声を上げた。秋男が本格始動だ。【松本航】
▼阪神が3回に挙げた7得点は、1イニングの今季最多得点タイ。6月16日の日本ハム戦(甲子園)4回の7点と並んだ。ナゴヤドームでの中日戦では、08年5月5日の1回と並び1イニング最多得点。この試合では先頭の赤星から平野、新井貴の3者連続安打に始まり、打者10人の猛攻だった。



