ついに王手だ。西武秋山翔吾外野手(27)が、今季4度目の先頭打者本塁打で球団通算8500号を記録するなど、3安打の固め打ち。シーズン199安打で史上7度目の200安打にあと1本と迫り、96年イチローに並び史上2位タイとなる今季26度目の猛打賞も達成した。4度の出塁が全て得点となり、チームのサヨナラ勝ちを呼び込んだ。
残り1本と迫ってから、秋山は過去5人が6度経験した重みに触れた。同点で迎えた延長10回。2死一、二塁でカウントは2-2。日本ハム増井のフォークに合わせたバットが、空を切った。内角低め、ボール気味の球だった。「あそこで四球を取れれば冷静だったと言えるでしょうが、そうではなかった」。二塁打なら初のサイクルと200安打を同時達成し、サヨナラ勝ちも決まる。本拠地の期待を一手に集める中、空振り三振に天を仰いだ。
打席を重ねる度に期待感が増していった。初回、いきなりの先頭打者本塁打。自己最多の14号がバックスクリーン左で弾んだ瞬間に「1本出て、気持ちが楽になった」。2打席目に鋭いライナーを右前にはじき返すと、4打席目には内角低めの変化球を右翼線に運ぶ適時三塁打。26度目の猛打賞でイチローに並んだ。
予兆はあった。8、9日は今季最長タイとなる2試合連続の無安打。だが試合後は「力みが出ていた」と室内練習場に駆け込み、最後の1人になるまで約1時間、黙々とバットを振り続けた。重圧と闘う中で、決心した。「出塁の手段として自分からヒットを打ちにいく」。勝利のために、記録に挑むと決めた。
吹っ切れていた。「サイクルは後から気づいた。塁に出ることしか考えていなかった」。だからこそ最後の凡退が悔しい。「冷静に打席に入っていれば」。そんな向上心に田辺監督は夢を見る。「200を超えて、どこまで伸びるか。楽しみだよ」。今日13日は4位ロッテとの直接対決。大台到達なら、CSを目指すチームがさらに勢いに乗る。【松本岳志】
▼西武秋山が3安打を放ち今季199安打。史上6人目(7度目)のシーズン200安打へあと1本と迫った。西武のチーム試合数はここまで130試合。200安打の到達ペースでは94年イチロー(オリックス)の122試合に次ぎ、10年マートン(阪神)の134試合を上回る歴代2位に食い込む可能性は十分だ。猛打賞は今季26度目になり、シーズン猛打賞回数は10年西岡(ロッテ=27度)に次ぎ96年イチロー(26度)に並ぶ歴代2位。



