中日が映像分析システム「ホークアイ」を導入したことが13日、分かった。野球のあらゆる動きを映像と数値で分析できるもので、バンテリンドームに8個の高性能カメラを設置。投手の投球フォームなら指先のアップや、打者ならインパクト時のボールの位置、守備では打球処理への寄り方など、あらゆる方向から超スロー再生、静止画も含めて画像を確認できるという。球速や回転数、回転方向など数値も集められる。

球団関係者は「ヤクルトが20年に導入して、関係者などに利用情報などを聞き、今季から導入することにした」と説明。20年6月に導入したヤクルトが、21年に前年最下位から日本一、22年のリーグ連覇につなげて有名になっており、昨年最下位の中日もデータの分析、活用で巻き返しにつなげたいところ。同関係者によると同システムは、今季12球団で導入されるという。他球場のデータを共有でき、中日にとっては苦手なビジター対策として利用価値も高い。

すでに弾道測定器「トラックマン」や測定機器「ラプソード」も導入しており、この日はドラフト新人10選手にもタブレットを使っての利用方法を説明した。開幕1軍を狙うドラフト2位・村松開人内野手(21=明大)も「(守備の)ポジショニングとかにつながってくると思う。これからしっかり生かすことが重要」と興味津々。中日の反攻に新兵器が加わった。【伊東大介】

◆ホークアイ 01年創業の英ホークアイ・イノベーションズ社の技術。03年から画像解析とトラッキングシステムのサービスを提供。クリケットから始まり、06年からはテニスのチャレンジ、サッカーのVARにも活用され、昨年のW杯でも「三笘の1ミリ」で話題に。野球では20年7月にMLB全30球場で導入。NPBでは同6月からヤクルトが12球団に先駆けて実証実験を始めた。

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