ボクシングの元東洋太平洋ライト級王者中谷正義(32=帝拳)と元3団体統一同級王者のワシル・ロマチェンコ(33=ウクライナ)がラスベガスで対戦し、ロマチェンコが9回1分48秒でTKO勝ちした。

ロマチェンコは、ザ・リング選定パウンド・フォー・パウンド(階級超越の最強王者)ランク1位に君臨。速さと技術を兼ね備え、愛称はハイテク(精密機械)。相手の棄権によるTKO勝ちが多く、「ロマ勝ち」と呼ばれている。

■1R

中谷は黒のガウンで先に入場。表情はやや緊張気味。黒地に黄色のラインが入ったガウンをまとい入場したロマチェンコは落ち着いた表情。中谷はリング上でコールを受けるとロマチェンコに右手を向けて気合を入れる。開始ゴングと同時に中谷は左ジャブを突き出す。サウスポーのロマチェンコは高いガードで様子を見る。50秒すぎにロマチェンコのいきなりの左ストレートが中谷の顔面にヒット。さらに左ストレートをヒットさせて中谷のアゴがはね上がる。2分すぎにバッティングでロマチェンコが額から出血。中盤以降はお互い様子見が続く。

【日刊採点】10-9(ロマチェンコ)

■2R

開始から中谷が左右パンチを出すが、ロマチェンコは距離をとってよける。50秒すぎに中谷が前に出て右ボディーブローをヒット。1分20秒すぎには左ボディーアッパーもヒット。中盤以降も中谷がじわじわと前に出てプレッシャーをかける。2分すぎにロマチェンコが中谷をロープにつめて左ボディー、右フックを顔面にヒットさせる。細かい手数でロマチェンコやや優位か。

【日刊採点】10-9(ロマチェンコ)

■3R

中谷が左ジャブを繰り出す。ロマチェンコが入ってくるところに右ボディーブローもヒット。1分すぎにロマチェンコが右ジャブから距離を詰めて連打。中谷はパンチを出して前に出るが、ロマチェンコにうまくかわされる。2分40秒すぎにロマチェンコの細かい左ストレートが連打で中谷の顔面にヒット。

【日刊採点】10-9(ロマチェンコ)

■4R

40秒すぎに中谷がワンツーからボディーブローが決まる。1分すぎにロマチェンコが鋭い出足からワンツーをヒット。中谷もボディーアッパーを返す。2分20秒すぎにロマチェンコが出てきたところに、中谷のボディーブローがタイミングよくヒット。中谷のボディーブローが効果的か。

【日刊採点】10-9(中谷)

■5R

開始から中谷がパンチを繰り出すが、ロマチェンコになかなかヒットせず。1分半すぎに中谷の右ストレートがロマチェンコのガードの上から当たる。2分すぎに中谷の左ボディーブローがヒット。2分50秒すぎに中谷が体勢を崩したときにロマチェンコの右フックがヒットして、中谷はダウンを奪われるが、ダメージは薄い。

【日刊採点】10-8(ロマチェンコ)

■6R

開始からロマチェンコの右フックから左ストレートがヒットするが当たりは浅い。1分すぎにロマチェンコの右フックから左ストレートがヒットして中谷は大きくバランスを崩す。ここからロマチェンコが中谷をロープに詰めてラッシュ、左右連打で中谷のアゴを跳ね上げる。中谷は防戦一方になったが、何とか耐える。終盤は中谷も体勢を立て直す。

【日刊採点】10-9(ロマチェンコ)

■7R

開始から中谷が左ジャブを突いて距離を取る。1分すぎにロマチェンコが接近戦から左ストレート、右フックをヒット。中谷は長身から長い左ジャブを繰り出すが、ロマチェンコのガードにはばまれる。中谷の右目の上が腫れ始める。終盤に再びロマチェンコの左ストレートを浴びて中谷のアゴがはね上がる。

【日刊採点】10-9(ロマチェンコ)

■8R

開始から中谷が前に出てプレッシャーをかける。中谷の右ストレートは当たりが浅い。2分すぎも中谷の右ストレートがロマチェンコの顔面をかすめる。1分半すぎにロマチェンコの連打がヒット。2分すぎからロマチェコは中谷の周りを足を使ってサークリングして打ち合わず。ともに有効打なしも、ロマチェンコのペースか。

【日刊採点】10-9(ロマチェンコ)

■9R

中谷が左ジャブを突いてプレッシャーをかける。1分すぎにロマチェンコの左ストレートが中谷の顔面にヒット。中谷は足がもつれる。その後も連打を浴びて中谷はフラつく。1分半すぎにロマチェンコが一気にラッシュ。右フックで中谷は体勢を崩し、さらに左ストレートの連打を浴びたところでレフェリーが試合を止めた。ロマチェンコが9回1分48秒TKO勝ちした。

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