坂本勇人内野手が決勝のホームに飛び込んだ。同点の3回1死一、三塁、投前へのボテボテの打球に本能が反応した。「状況的に『ゴロゴー』。あれは挟まれようと思ったんですが、はじいてくれたので」と三本間で1度はスピードを緩めた。グラブトスを試みた相手投手が処理にもたついたと見るや、ジャンピングヘッドスライディングで本塁を陥れた。

2カ月半前の恐怖と不安は完全に消えていた。5月9日ヤクルト戦、ヘッドスライディングでの帰塁時に右手親指を骨折。6月11日に1軍復帰も、一時は五輪も危ぶまれた。ユニホームを土ぼこりで汚したビッグプレーは、無心であっても気迫を押し出した走塁ではない。「あんまりしない。意識してやったわけじゃないんですけど。一番、速い方法で行っただけです」。勝つための最善策を瞬時の判断で遂行する技量が備わっている。

決勝点につなげた出塁は左翼線二塁打。相手の変則的な守備シフトの中での吉田正の三ゴロで二塁上で進塁をうかがうように揺さぶり、三塁手の失策を誘った。「行こうとしたのが一瞬、いいフェイントになったんじゃないですか」。隙を逃さず勝機を引き寄せる働きが光った。

3点リードの7回には左翼席に1号ソロ。主要3大会弾をコンプリートした山田に続いた。「ちょっと詰まり気味だったんですけど、いいポイントでは打てた。哲人が四球で出たりとか、いろいろやってくれている。僕もね。何とか後ろのバッターにいい形でつなぎたいなと」と1、2番が連なって躍動した。福島で劇的サヨナラ打、横浜でも坂本だ。【為田聡史】

▽日本平良(8回に登板も元オリックスのメネセスに2ランを浴び、今季初被弾)「結果は悪いので、次打たれないようにします。(5点差で登板でも気持ちは)一緒です」

▽日本村上(2試合連続安打も4回の中前打について)「バット軌道としてはセンターに出ていたので良かったですけど、もっと芯で捉えて長打を打てれば最高の場面だったので、長打を次は打てるようにやっていきたい」

▽日本柳田(1次リーグ1位通過で次戦がナイターとなり)「うれしいです。めちゃくちゃうれしいです」

▽日本鈴木誠(4番は2戦連続無安打ながら大飛球も放ち)「勝てればそれでいい。次はいいところで打てたらいい。周りがすごい選手ばかりなので、僕が打てなくてもカバーしてもらえたりする。そういった面では気持ちは楽ですけど、期待してもらっているのは分かるので、しっかり結果出したい」

▽日本浅村(先制された直後の2回先頭、チーム初安打となる右前打から同点のホームを踏み)「良い打者、良い選手が周りにいっぱいいるので、良い形でつなごうと思っていた」