J2アルビレックス新潟は今日17日の今季最終戦(第42節)、レノファ山口FCとホームのデンカビッグスワンスタジアムで対戦する。16日はリーグ戦に備えた最後のチーム練習をクラブハウスの練習場で行った。FW渡辺新太(23)がゴールでシーズンを締めくくることを誓っている。ルーキーながら、ここまでチームでただ1人の2ケタ10得点をマーク。自身の得点と勝ち点3を上積みして、来季につなげる内容で今季を終える決意でいる。

最後は強烈なボレーだった。左サイドからの折り返しを、渡辺新は右足で豪快にたたき込む。「あの程度のゴールは当然ですよ」。今季の試合前最後の練習。締めのシュート練習を自分らしい一撃で終えた。

山口戦の狙いははっきりしている。「まず1点を取る」。今季ここまで10得点。第39節町田戦で2得点し、一気に大台に乗せた。ただ、その後の2試合は無得点。町田戦後に掲げた「残りの試合で5得点して合計15点」(渡辺新)は難しい状況になった。もちろん、意欲が薄れたわけではない。「自分たちが攻め込まれたときは、大胆に(得点を)狙っていきたい」。ボールをつないでくる山口を相手に、苦しいときほど強気に攻める。

ルーキーながら10得点の活躍ぶりに周囲の評価は高い。だが、「もっと点を取るつもりだった。目標にしていた開幕スタメンも果たせなかった。満足はしていない」。プロの厳しさを肌で感じたプロ1年目だった。

一方、成長の手ごたえもあった。「シュートのバリエーションが増えた」。流通経大時代は、ストレートでゴールを狙っていた。プロ入りしてからは、巻いた軌道に取り組んできた。第24節山形戦、第29節大宮戦の得点は、その練習してきた形で奪った。「正面が空いたらストレートで打つ。2種類あれば武器になる」。最終戦でも、成果を見せるつもりだ。

J1復帰を果たせず屈辱に終わったシーズン。山口戦は来季へのアピールにもなる。「チームも自分も、お客さんから来季の期待を持ってもらえる試合にする」。そのために得点を奪う。【斎藤慎一郎】