Jリーグ2連覇中の川崎フロンターレが、チェルシーに1-0で競り勝った。後半43分からピッチに入ったMF中村憲剛(38)が決勝点をアシストし、MVPを獲得した。世界の強豪撃破で、リーグ3連覇へはずみをつけた。

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川崎FのMF中村が出場わずか7分でMVPを獲得し違いを見せつけた。後半38分にピッチに入ると、相手の裏をつくスルーパスで攻撃のスイッチを入れ、後半42分にFWレアンドロダミアンのヘディング弾をアシスト。MVP賞金の100万円を手にした。中村は「仲間にズルいと言われました。賞金はチームに寄付しようと思ってます」と苦笑した

チームが発展途上だった15年夏、ドルトムントに0-6で惨敗した。球際、スピード、プレーの質。世界との差を体感し、中村は「翌日の練習から、みんなの顔色が変わった」と振り返る。それから4年。

この日も相手の速いパス回しにプレスがはまらず、中村は「普段、Jリーグでうちがやっていることをやられた。蹴る、止める、パススピードの部分はまだまだ世界とは差があった」と課題をあげる。それでも、劣勢ながら体を張り、失点を防ぎ続けたことで“金星”につなげた。

相手はシーズン前で始動したばかりだが、しっかり勝った。中村は「簡単に失点せず、ゲームを壊さなかったことは成長。小さくない勝利」と手ごたえを口にした。リーグ3連覇へ向け、最高の刺激をもらった。【岩田千代巳】