ジュビロ磐田にエースが帰ってきた。右肩負傷で離脱していたFW川又堅碁(29)が2日、チームの全体練習に完全合流した。磐田市内での調整に参加し、約2時間のフルメニューを消化。「全てがOKという訳ではないけど、まずはピッチに戻って来られた」と、充実した表情で汗を拭った。

道のりは険しかった。4月28日、ホーム北海道コンサドーレ札幌戦で負傷。左CKに飛び込んだ際、体ごとゴールポストに激突した。診察結果は右肩関節脱臼で全治6週間だったが、神経まひが残った。一時は腕が動かず、日常生活にも支障をきたした。

復帰までに要した約4カ月間は、不振にあえぐチームを外から見ることしかできなかった。川又は「ちょっとでも力になりたい分、悔しかった。足は動くのに一緒に練習もできない。ストレスもたまるし、しんどかった」と振り返る。

この日、9対9で行われた実戦形式の練習では前線で起点となり、ゴールを演出。完全復活へ順調に1歩を踏み出した。フェルナンド・フベロ監督(45)も「経験があって質も高い。長い間練習できていなかったが、良くなる面はたくさんある」と期待を寄せた。

次節は14日にアウェーで川崎フロンターレと対戦するが、公式戦復帰には「チームのOKが必要」と川又。慎重に状態を見極めていく必要がある。それでも、「(出場)前提での復帰。もちろん出る準備はしていく。出なかったとしても、チームに何か新しいものを生み出していきたい」と話した。残り9試合。J1残留のために全力を尽くす。【前田和哉】

◆川又堅碁(かわまた・けんご)1989年(平元)10月14日、愛媛県生まれ。小松高在学中はJ2愛媛の特別指定選手。08年に新潟入り。10年にはブラジル・カタンドゥベンセに半年間の期限付き移籍。12年にはJ2岡山に期限付き移籍。新潟に復帰した13年、J1ランク2位の23得点を挙げてベストイレブン。14年にJ1名古屋、15年に日本代表デビュー、17年にJ1磐田移籍。J1通算210試合出場70得点。184センチ、76キロ。血液型B。